「旧小田小学校」①明治の洋風建築、伊賀で二校。たからもの…

2023-02-25 10:40:03 | 「伊賀上野語り部の会」で勉強中
2023/2/22当blogに追加投稿しました。
 「旧小田小学校」で見つけた資料の掲載をしています※

伊賀の底冷えに、小学生以来の「しもやけ」が足先にでき、
痛痒い悩ましさと戦いつつ日々歩いているのですが、
「今日(2/22)は晴れた!」気持ちの良い爽やかな日。
こんな青空の日は、あの白い校舎に会いに行こう…と思い立つ。
語り部になるべく勉強中の身、現地研修で校舎の前までは行っていたのですが…
  (2023/2/22撮影)
よくよく考えれば校舎の中には入ったことがないなぁと。

少し(かなり以前)振り返ると、
小学5年生(昭和40年(1965))の時だったか「小田小学校」が廃校になり、
新しいお友達が「編入」という形で西小学校に来て一緒に過ごしましたねぇ。
子ども心に「転入生」はいつも注目の的だったような、
でも男の子だったので気恥ずかしくて、なかなか話ができなかった…
そんな記憶も蘇ります。(ウソやろ、と言われそうですが )
あれから58年が経ち、彼らはこの校舎でどんな風に過ごしていたのだろうと、
タイムスリップしてみたくなったのは確かで、
当時の彼らの生活が垣間見えるかも、と訪ねました。

我が家を出たのは14時も少し回ったころ、途中ここのお寺の前を通ったら
本堂の大きな屋根の真ん中辺で、こんなコが堂々と辺りを見回す、
まぁるい胸、悠然とした鳩ちゃんでした。
  「大仙寺」(上野三之西町)。

気持ちよく歩くこと約20分、見上げる白い玄関。
上野高校の「明治校舎」も「(別称)白亜の校舎」と言われ、
伊賀びと自画自賛の洋風建築ですが…
  
(再掲)「上野高校明治校舎:白亜の校舎」

そういえば、
Q.明治時代にできた建築物には、何故洋風建築が多いの?
 …よくよく考えれば「文明開化の音がした頃」のことですね。
A.≪明治初期は廃藩置県など地方行政の変革により、
 近代的な役所や教育機関の建造が急務となり、
 そのため、各地方の大工たちが「見よう見まね」で新時代にふさわしい
 “洋風”な建築を建てることになった≫とか、
 それらの建築物を「擬洋風建築」というそうです。

では、石段を上ります、ここは小田地区。
上野公園西北にある高台。
「度重なる洪水の難を逃れて現在地に村を移した(=避水移居)小田村の人々の
近代初等教育草創期に寄せる期待を表現した建物」(当館パンフレットより)。
  
*上野の盆地を見渡すところに上野出身の俳人「橋本鶏二」の句碑。
『雁来れば もう初霜や 伊賀盆地』
県指定・建造物 旧小田小学校本館
 明治14年10月19日建築落成、木造二階建、間口15.84m、奥行き7.92m、
 正面ポーチを含め延べ274㎡。
 現存する小学校としては、県下最古の 建築で、洋風二階建、寄棟造、桟瓦葺、
 ポーチは切妻造、壁は漆喰仕上げ、 軒は持送り風のくり形になっている。
 最も意匠をこらしているのは正面ポーチ で、エンタシス風の柱を用い、
 階上、階下 とも吹き放ちになっている。
 玄関入口上部 には、竜の彫刻※がはめこまれている。
  (昭和50年3月27日指定)
*新築の際『啓迪(ケイテキ)※学校』とした、とのこと。
※「啓迪」=後進を教え導くというような意味だそう。
※竜の彫刻=鏝絵(コテエ)といい、左官職人が建築物の装飾として漆喰を使って描いたもの。

有名な方に「入江長八」という方がおり、
静岡県松崎町「岩科学校」の「鏝絵」に似ていると言われていますが…
その当時建てられた学校で現在も残っているところは、ほぼ「国・県の重要文化財」になっています。
先人たちの知恵と建築技術に感服いたします。

洋風建築伊賀で二校⇒三重県の文化財データベースより
①『旧小田小学校本館』
②旧三重県第三中学校校舎(現:上野高校)

さぁ、入りましょう~~
玄関入り口は観音開き」の戸
土間は敷瓦の目地を漆喰で固めている「七宝模様」、
いわゆる「なまこ壁風」が床にある、と思ってください。
 (中から撮ってます)

ここでやっと「玄関」に辿りつきました…

*「カワイ『昭和型』アップライトピアノ
※当時の一般的なアップライトピアノ(85~88鍵)に比べ音域が狭く(64鍵)驚くほど小型なもの。

旧職員室だった部屋が「受付」になっています。
西大手在住の方がおられ、歳もワタシとさほど変わらず、やさしい方で
子どもの頃「この小田小学校界隈で友達とよく遊びましたよ。
第二の人生、ここでこうやって案内の仕事ができるのが嬉しい」とおっしゃってました。

では校舎内の様子はまた後日、長くなりそうなので…
ではまた

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