この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

月館の殺人、下巻。

2006-08-07 23:25:57 | 漫画・アニメ
 綾辻行人原作、佐々木倫子作画、『月館の殺人』(下巻)、読了。

 新本格ミステリの第一人者である綾辻行人とのほほんとした作風が特徴である漫画家の佐々木倫子、この二人を組み合わせてみようと考えた、その発想がまずはすごいと思う。まさに異色のコラボレーション。大福にイチゴ、酢飯にマヨネーズと同じぐらい意外な組み合せだと思う。あれ、どうもしっくりとした例えじゃないな。じゃ、カレーに納豆、、、んなことはどーでもいい。
 ともかく異色の二人を組み合わせ、さらに両者の長所をどちらも如何なく発揮させるということはなかなか出来ることではないと思う。その点についてはただただ感心してしまう。漫画として読む分には充分面白く読めた。
 ただ純粋にこの作品をミステリとして読むと、何だかすっきりしないものがいくつかあって、、、例えばどうして犯人は幻夜号を後回しにして、先に鉄道館の方に手をつけたんだろう。テツ(鉄道オタク)であれば無差別に殺すという設定なら、幻夜号の乗客、及び乗務員を先に手をかけ、そのあと鉄道館の住人を殺害する、という方が理に適ってると思う。一度幻夜号を抜け出し、鉄道館に赴いて住人を殺害、そして幻夜号に戻るという犯人の行動がいまいち理解出来ない。
 まるで誰かが読者を欺くために描いたシナリオに沿って犯人は行動しているかのような印象を受ける、、、ってそのままか。笑。
 本編で犯人が幻夜号の方を後回しにしなければならない理由か何か説明されましたっけ?それとも幻夜号の乗客には手をかけるつもりはなかったのかなぁ。読み直してもそこらへんがよくわからない。
 まぁそういった疑問も犯人が異常者だから、ぐらいの理由で軽く片付けられちゃうんでしょうけどね、新本格ミステリってそういうものだし。(←偏見。)

 それにしても原作者のあとがきがあんなに読みにくい本は初めて。案外気づかない人も多いのでは?こんなわかりにくいあとがきに気づいた自分は探偵の素質があるのでは?なんてふうに喜んでる自分って単純すぎるかな。笑。
コメント (4)
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