この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

スゲー芝居を観たという気になった飛ぶ劇場Vol.43『ジ エンド オブ エイジア』。

2022-01-24 22:56:02 | 演劇
 土曜日は久留米シティプラザ Cボックスで行われた飛ぶ劇場Vol.43『ジ エンド オブ エイジア』を観てきました。

 ドイツを舞台にしていて、主要な登場人物は全員ドイツ人、でもそれを演じるのがアメリカの俳優で、劇中の言語は英語、という映画があります(具体名は敢えて言いませんが)。
 アメリカの映画なんだから俳優がアメリカ人であるのは仕方のないことで、俳優がアメリカ人である以上劇中の言語が英語であることも仕方のないことなのかもしれませんが、例えば登場人物の一人が英国人と話すシーンがあったりすると、果たして彼らはいったい何語で会話をしているんだろうと考えずにはいられません。
 そうなるともう頭の中に物語が入ってこなくなるんですよね。
 
 今まではそれを考えても仕方のないことを考える自分の方が悪いのだ、と思ってきました。
 でも今は違います。
 ドイツを舞台にしていて、登場人物がドイツ人という設定であるならば、例え演じるのがアメリカの俳優であっても、劇中の言語はドイツ語であるべきです。
 少なくともそれが理想です。

 そう考えるようになったのは飛ぶ劇場Vol.43『ジ エンド オブ エイジア』を観たからです。
 このお芝居はヒマラヤにある山小屋風の宿泊施設を舞台にしていて、主人公はイエティを探しに来た日本人の中年女性ですが、他に韓国人やネパール人が登場します。
 その韓国人は何語を話すのか?
 韓国人なんだから、当然韓国語(と英語とカタコトの日本語)を話します。
 でも飛ぶ劇場は日本の劇団ですから、演じるのは日本人なんですよ。
 日本人俳優が韓国人になりきり、韓国語を話すんです。
 これってすごくないですか?
 もっとすごいのはネパール人ですよ。
 ネパール人なんだからネパール語を話す、と言いたいところなのですが、ネパール語に翻訳してくれる人がいなかったので、架空の言語を作り上げ、ネパール語っぽく話しているんです。
 え、お芝居ってそこまでするものなの?と心底驚きましたよ。

 なので、劇中、日本語と韓国語と英語と似非ネパール語が飛び交うわけですが、観客である自分は日本語の台詞のところしか何を言っているかわからないわけです。
 けれど舞台上で何が起こっているかはおおよそわかるんです。
 高度な演出だと言っていいと思います。

 お世辞にもわかりやすいお芝居ではないですよね。
 でもスゲー芝居を観たな!という気にはなりました。
 
 飛ぶ劇場の久留米公演は去年、一昨年と三年連続で観に行っていますが、たぶん来年も観に行くと思います。
 アフタートークで劇団代表の泊氏が「ゾンビものになる」と言っていました。
 今からとても楽しみです。
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2 コメント

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Unknown (あり寸)
2022-01-31 18:43:57
劇場で芝居も観に行ってないな~。
私は、ミーハーなので、好きな人が出てないのは、
観た事ないけど・・・。
ケイファクトリー関係で蔵ちゃんが出てるのは、
昔は、観に行ってたけど。
芝居を観る気力がないのが現状だわ。
せぷの活動力には、「あっぱれ!!」ですわ。
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自分も、、、 (せぷ)
2022-01-31 21:00:38
自分もお芝居は年に一本か二本だよ。
お芝居は映画に比べるとやっぱり高いからね。

ケイファクトリー関係で蔵ちゃん?
う~む、初耳だなぁ。
でもきっと人気劇団なんだろうね。

福岡もそれなりにお芝居は活発だけど、東京や大坂のお芝居は福岡とは比べ物にならないぐらいいいんだろうね。
普段はそうでもないけど、そういうところでは東京や大阪が羨ましいと思うことがあるよ。
返信する

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