FERNANDO MORIENTES: THE BIG INTERVIEW
リバプール公式サイトより、モリエンテスのながーいインタビュー。
プレミアシップでの2位確保か、それともFA杯を制することか?
理想を言えば両方とも。でももしどちらかを選ばなければならないとしたら、チャンピオンズリーグの予備予選を戦う方に僕は落ち着くよ。それでもうひとつトロフィーを飾れるというのならね。フットボールでタイトルを獲得するチャンスがあるならいつだって、それを掴み取らないと。僕はFA杯と3位という地位を受け入れるよ。そうすれば良いシーズンになるだろうね。
FA杯のファイナルであなたが決勝点を決めたら…
そうしたら特別にすごいだろうね。でも僕たちが勝つのなら誰が得点しようと気にしないよ。
イングランドフットボールにおいてFA杯がどれだけ重要なものかということをどのくらい知っていますか?
新しいリーグ、新しいクラブに移籍したら別の大会について知る、これは大切なことだ。他の国から適切な行動を取るのは不可能だろうから。僕がリバプールに来て最初にされた質問のひとつがFA杯の重要性についてだった。ここの選手全員が、そしてファン全員がこの大会に勝利することを求めていることを知っている。これはスペインとは少し違うね。コパ・デル・レイはここまで高い注目を集めはしないから。でも僕たちは、イングランドではFA杯が本当に重要なものだとわかっている。
ジョゼさんと彼の選手たちが、我々とファイナルとの間に立ちふさがっています―我々は彼らに勝てるでしょうか?
もちろん勝てる。今シーズン初め頃、彼らが余裕をもって勝利していた頃では、チェルシーは負かすのがもっと大変なチームだったと思う。守備も攻撃も彼らは非常にすばらしかったから。でも今はおそらく、シーズンの状況は少しずつ彼らに追いついてきている。彼らは常に簡単に試合に勝利できるわけではなくなっている。ここ何週間で彼らは勝ち点を落としているし、だから無敵だなんて雰囲気はもうない。試合当日、僕たちが上手く機能すればそこにつけ込めるはずだ。僕たちがチェルシーと対戦するという事実は、僕たちにとって戦う大きなモチベーションとなるだろう。
チェルシーの評判は少し落ちてきました。あなた自身の評判も同様に、昨年をある程度、それとも少し上回るものだと思いますか?
15ヶ月間ここにいて、僕がやったことよりもはるかにもっと多くのことをもたらせると思っていた。僕はもっと多くのことを自分に期待していたんだ。これは周りの人たちが僕に期待していることというのではなくて、僕が僕自身の期待を持っていたということだ。自分の期待に沿っていないのだったら、楽しくはやっていけないと思う。僕が、僕自身にとって一番厳しい教師なんだ。僕はサッカー選手としての14年間から、こういった状況から抜け出す唯一の方法はとにかく一生懸命に練習することだけだということを理解している。その点では僕は幸せだ。どんなに一生懸命僕が練習しているか、これからもどんなに一生懸命練習し続けていくか、僕はわかっているから。今の状況に関しては僕はすごくポジティブだよ。僕はリバプールで成功できるだろうとまだ確信している。
それでも批判はあなたを動揺させたはずですが…
僕はフットボールの世界をとてもよく知っている。だから批判は僕にとってはもう驚きではない。スペインにはこんな格言があるよ。ゴールを決めれば人は近づいてきて賞賛し話しかけたがる、でも悪い時期には人は近づきたがらず話したがらない、って。フットボールがどんなものか、僕は現実として十分に理解している。僕は批判に影響を受けずに、長い間プレイしてきた。得点すれば賞賛される。賞賛されないなら、それを受け入れなければならない。
あなたの華々しいキャリアの中で、あなたの能力に疑問が投げかけられたのはおそらく初めてでしょう―これがなおも成功しようという覚悟を促すものでしょうか?
僕は自分のキャリアでは高いレベルでプレイしてきたし、うまくやって来た。フットボーラーがプレイしていく上で、ピークの時も谷間の時もあるということを僕たち皆が知っている。トップフォームの時もあれば、もっと難しい時もある。いつでもトップフォームではいられないんだ。リバプールの皆はフットボールをする方法を知っている―どうやってプレイするか忘れてはいけない。そうすれば突然悪い選手になったりはしないから。たぶん僕はある意味僕自身の成功の犠牲だとも言えるだろう。人は僕を批判している。なぜなら彼らは、僕がプレイできる可能なレベルを知っているからだ。それは僕が受け入れるものだ。この先のある段階になれば僕は良いレベルに戻ることができると自分でわかっているよ。
リバプールに来たことを後悔したことは?
いや、まったくないよ。僕はとても幸せだ。マドリーを離れる時、僕はビッグクラブに行きたかったから。そして僕は正しい選択をしたと思っている。僕はただビッグクラブに来たというだけじゃなかった。タイトルを勝ち取ること、トロフィーを勝ち取ることにひどく飢えたクラブに来たんだ。このクラブの偉大な歴史や今このクラブが見せているものを考えると、リバプールは未だヨーロッパにおける非常に大きなクラブであり、その一部分でいられることに僕は本当に喜びを感じているよ。
この難しい時期に、監督やチームメイトから受けたサポートに、個人的にはどのくらい感謝しているでしょうか?
僕のことを知らないで、ただ試合での僕を見ているだけの人間からのコメントを読んでも、それは実際に僕を悩ませたりはしない。でも監督、裏方のスタッフ、チームメイトからのコメントだったら話は別だ。彼らは毎日のトレーニングでの僕を知っているし、どんなに一生懸命僕が練習しているかも知っている。そういうサポートを受けているということが僕の自信にとって大切なんだ。そういうサポートなしでは状況は変ってくるだろうから。
誰が何を言おうと、僕は常にベストを尽くしている。僕がプレイするどんな試合でも、僕は常に100%の力を出している。僕にとって状況が良くなれば、それが僕を支えてくれた人たちにお返しをして僕の感謝を示すのに良いことだと思う。
そうすると、あなたは移籍したがっているというわけではないようですが…
僕は4年の契約にサインした。その契約を全うしたいと思っている。ここにいたいんだ。この先の何年間かで、僕たちはピッチの上でいくつもの成功を手にすることができる自信が僕にはあるから。ここでの未来はとても明るい。同時に、この先何が起きるかは決してわからないものなんだ。特にフットボールの世界ではね。4年間は長い。でも今言えることは、僕はリバプールにいられて幸せだということ、そしてここにいたいということなんだ。
最近のフラム戦とバーミンガム戦でのゴールで、あなたの自信はどれほど高められたでしょうか?
いつでも決めたゴールの数で判断されるものだ。その2ゴールを決められたのは良かったよ。つまりその試合が終わる時に僕がそこにいられたからね。同時に、別の試合で僕が得点しないで終えてもフラム戦やバーミンガム戦が終わった時よりも幸せなこともある。僕が得点して同時に良いプレイもしていればそれは理想的だけど、いつもそうはならないよ。
なかなかゴールできないことに多くの批判が集まった後で、フラム戦で得点できた時にあなたは狂ったように大喜びしなかった。なぜでしょう?
本当にわからないんだ。どうやってあのゴールを祝ったか覚えていないんだよ。ゴールを祝うのにはたくさんのやり方がある。それが決勝点だったら、5-0で勝った試合の4点目を決めた時よりも狂ったように祝うだろうね。
最近はゴールが決まるようになりましたが、ストライカーたちがひどく批判されていたのはそう昔のことではありませんでした。その間フォワードの間にに、一緒になってあらゆる悪いものを解決しなければという強迫観念のようなものがあったのでしょうか?
正確なことは言えないだろうな。すべては続いているんだ。時には良い状態であることもあり、あるときは悪い時期に突入する。僕たちは、まったくゴールができなかった悪い時期の後、5試合で20得点した。マスコミが、僕たちが悪い時期にいるときには批判して、再び得点し始めたからといって突然どんなに我々のストライカーたちが偉大かと言い出すのには楽しませてもらってるよ。強迫観念ではなく、ストライカーたちはひとつに団結しているよ。僕たちはプロフェッショナルであり、悪い時期の後には良い時期がやってくるとわかっている。フットボーラーたちでさえも、なぜフットボールにはそんな波があるのか説明するのは難しいことなんだ。ただそういうものであり、僕たちはそれを受け入れている。
この国ではストライカーが、何点ゴールを決めたかということだけで判断されるのはフェアだと考えていますか?
フェアではないけどそう期待されているんだ。もしたくさんゴールを決めているなら、良い状態にあるという自信から試合でより良いプレイができるだろう。得点できないで自信を欠いていると悪い方向に影響を及ぼす。そして結局は過剰に大変な思いをすることになる。
ゴールスコアラーといえば、ロビー・ファウラーは契約を更新されるべきでしょうか?
ロビーが過去に成し遂げたことを僕は良く知っているし、彼の練習やプレイする様子を見ていて彼がこの先の未来に成し遂げられることもわかる。彼が契約を更新するのはとても重要なことだよ。
僕はフットボールを知りフットボールをテレビで見て若い頃を過ごした。でも試合を見ていなくても、確実にロビー・ファウラーとは誰かを知るだろう。ここでは彼はファンにとって真のアイドルなんだ。そして彼は、試合を見に行こうとする人たちに足を運ばせる原因の一部になっているんだと思う。皆は彼から何か特別なものがえられると期待しているんだから。
彼はイングランドにとっては最高のインターナショナルなゴールスコアラーであり、リバプールにとっても最高のゴールスコアラーだ。彼の通算成績がそれを物語っているよ。
自宅に帰りフットボールから家族へとスイッチを切り替えるのは簡単なものでしょうか?
フットボールが家庭生活に影響しないようにしようとするものだけれど、でもそれは難しいことだ。自分のプレイに満足していなくても、家に帰ろうとしたり部屋に鍵をかけて閉じこもったりはしないだろう。でもたぶん、僕はいつもしているようにしゃべったりはできないだろうね。妻はいつも、僕が完璧に満足しているかどうか見分けることができるんだ。子供たちのために、良い顔をして一緒に遊ぶようにする。でも仕事を家に持ち込まないでいることは不可能だよ。
奥様はここで幸せでしょうか?
そうだよ。もし家でのことが上手くいっていなければ、すぐにこの仕事はたぶん自分に合っていないんだと判断して状況を変える必要が出てくるだろう。でもそんな風にはなっていない。
4歳と6歳、2人のお子さんがいますね―お子さんたちは学校でハッピーで落ち着いていますか?
最初の頃は2人にとっては大変だったと思う。学校で自分の意思を伝えることが本当にできなかったのだから。でも今では、子供たちの進歩が本当に誇らしいよ。 子供たちが遊び場で話しているのを見ると、本当にきれいな英語を話すんだ。そんなにも違うんだよ。
もうミニ-スカウサー(リバプール訛)になったでしょうか?
確かに、娘の方はスカウスのアクセントだね。
彼女たちが話していることを理解できますか?
娘が学校が終わった後で友達を家に連れてくるときは、何をしゃべっているか聞こうとするんだ。でもほとんどの場合見当もつかない。簡単なことじゃないよ。妻は3番目の子を妊娠しているけど、この子はすぐに地元のアクセントを身につけるだろうと確信しているよ。
クラブには他のスペイン人選手、スペイン人家族がいます―メルウッドで過ごす以外の時間の多くを人付き合いのために使っているのでしょうか?
もちろん。選手全員が仕事以外でも一緒に過ごすのが理想的だろう。でも現実は必ずしもそうなるわけではない。ビッグクラブでは国籍の違う人たちがトレーニングの後の時間を一緒に過ごすことがわかるだろう。ここでもそうだよ。僕たちが社交的になる手助けになるのだから、これはポジティブなものだよ。リバプールには街としての魅力がたくさんある。僕たちはグループで外出して、歩き回ったり楽しんだりするのが簡単にできるんだ。
それでは、この街のストリートにいるファンたちがどれくらいフットボール狂かということがわかったに違いありません。
本当に驚いたことは、サポーターたちがどんなに行いが良いかということだよ。皆、適切な振る舞いをするんだ。もしファンが、選手が子供と遊んでいるところを見たら、彼らは真っ直ぐやって来てサインをねだったりしないだろう。遊びが終わるまで彼らは待つんだよ。十分な敬意をもって話しかける。素晴らしいことだよ。批判ではなく、これはスペインとはまったく違っている。
では、あなたは街中でまったくの見知らぬ人とフットボールについて会話を交わすことが何度もあった?
そうだよ。普通は次の試合のことや一般的なフットボールのことについて話しかけてくる。でもダービーの前週は、皆がひっきりなしにやって来て、僕はエバートン相手にゴールを決めなければいけないとかエバートンをやっつけなければいけないとか話しかけてきたんだ。僕はダービーがファンにとってそんなにも重大な意味を持つんだということが理解できたよ。あの試合で良い結果を出せたことは本当に嬉しいよ。
あなたは長い間フットボールをやってきています―リバプールのファンはベストでしょうか?
彼らは信じられないくらいすごいよ。世界のどこでフットボールをしても、皆がリバプールのサポーターのことを知っている。ここに来るまではアンフィールドでプレイする機会はなかった。でもリバプールのファンについては、リーガ・エスパニョーラの友人たちからいつも聞かされていたよ。僕自身もそれを体験したいと思っていたし、もちろん期待はずれになるようなこともなかった。試合中の彼らは最高だからね。
リバプールのファンがチームにもたらすのは期待するようなサポートだけではない。他ではめったにないことだけれど、彼らには敵に対する大きなリスペクトと感情とがあるんだ。敵の選手やチームが拍手喝采をあびるところなんてそんなに見られるものではない。今シーズンのCLで僕たちを負かしたベンフィカのようにね。
CLのグループリーグで対戦した時にレアル・ベティスのファンと会話したんだけれど、彼らはリバプールに滞在している間にリバプールファンから受けた手厚い歓迎について話してくれた。フットボールクラブとしてのリバプールの伝統は本当に特別なものなんだ。ここにいる誰もがそれを心から誇りに思うべきだよ。
今週末、選手とファンはヒルズボロの悲劇の追悼のために団結しました。1人の外国人として、1989年4月15日 はあなたにとってどんな意味を持つものでしょうか?
あの事故が起きた時、僕はまだ若かった。でもここにやって来ると、そのことをとても意識するようになる。この日がすべてのリバプールファンとクラブにとってどんなに重要かということを深く認識している。4月15日は、毎年敬意を表され想い出されるべき日付だ。昨シーズンリバプールとユベントスが戦った時にヘイゼルの悲劇が追悼されたことが正しかったのと同じように、今回の追悼も正しいものだ。ヒルズボロで失われた命のために悲しみをもってファンは団結している。あの悲劇で亡くなった人たちの代わりになることはできないけれど、僕はここにいて今このクラブの一員であるということを受けて、彼らの気持ちを感じている。
ここまでリバプールにとってどんなシーズンといえるでしょうか?
かなり良いものだったと言えると思う。一番ネガティブで苦味を後に残しているものは、CLでベンフィカに敗れたことだ。彼らをけなすわけではまったくないけれど、両チームを見比べたら2試合とも僕たちは彼らに勝てたはずだと思う。
そう、もし勝ち抜けていたとしても僕たちは次にバルセロナと対戦することになっただろう。おそらくヨーロッパでは最高のチームだ。でも僕たちが次に進んでいたら何が起こるかわからなかっただろう。
シーズン開始当時の最大の目標は、少なくとも確実にトップ4で終わること。そしてうまくいけば、僕たちはその目標に向かって突き進んでいるところだ。これでFA杯で優勝できれば、さらに良いことだね。
そして、あなたはスペインが大舞台で再び期待を裏切ることのないようにするため、ドイツに行こうとしている…
過去に、スペインの選手たちが大きな大会に過信して臨んだことはないと思っている。ただ新聞が部数を伸ばしたくて僕たちの可能性を実際に立てただけだ。イングランド、ブラジル、ドイツ、イタリアは大きな自信を持ってW杯に出場するだろう。彼らは頭高く上げていくだろうけど、僕たちはそうはできない。僕たちは足を地に付けて現実的に進んでいかなければ。僕たちは1試合1試合をものにして、そして何が起こるか見る必要がある。スペインの人たちは、僕たちにはグループリーグを突破する可能性が現実的にあるということを理解していると思う。それから何が起こるかを見る。スペインにはクオリティの高い選手たちがいるけれど、ドイツにいく他の国と同じようにタイトルを取ったことがないんだ。
それではどこが優勝するのでしょう?
できればスペイン、現実的に行くならブラジル。ブラジルは他よりもひとつレベルが上だ。それから3つか4つの国にもチャンスがある。彼らが良いプレイをして、それから少し運があればね。
このインタビューを通じて、あなたは笑ったりジョークを言ったり、そして全般的にとても良い雰囲気でした。批判があるのに、ここでは幸せそうに見えますが…
もし人生を楽しめないのなら、今私があなたに話しているように話すことができると思う? うまく見せかけるのは僕には難しいことなんだ。僕はまっすぐな人間で見たとおりなんだよ。もし僕が幸せでないなら、その通りの印象になっただろう。僕はとても幸せだ。リバプールを愛している。リバプールのファンたちを愛している。今の厳しい時期を切り抜けてこの先たくさんゴールを決められるという自信がすごくあるんだよ。
おわり
vamosmoroさんからリンクしていただいております…が、完読には程遠い状態であります。のんびりと進みます…。ありがとうございます。
リバプール公式サイトより、モリエンテスのながーいインタビュー。
プレミアシップでの2位確保か、それともFA杯を制することか?
理想を言えば両方とも。でももしどちらかを選ばなければならないとしたら、チャンピオンズリーグの予備予選を戦う方に僕は落ち着くよ。それでもうひとつトロフィーを飾れるというのならね。フットボールでタイトルを獲得するチャンスがあるならいつだって、それを掴み取らないと。僕はFA杯と3位という地位を受け入れるよ。そうすれば良いシーズンになるだろうね。
FA杯のファイナルであなたが決勝点を決めたら…
そうしたら特別にすごいだろうね。でも僕たちが勝つのなら誰が得点しようと気にしないよ。
イングランドフットボールにおいてFA杯がどれだけ重要なものかということをどのくらい知っていますか?
新しいリーグ、新しいクラブに移籍したら別の大会について知る、これは大切なことだ。他の国から適切な行動を取るのは不可能だろうから。僕がリバプールに来て最初にされた質問のひとつがFA杯の重要性についてだった。ここの選手全員が、そしてファン全員がこの大会に勝利することを求めていることを知っている。これはスペインとは少し違うね。コパ・デル・レイはここまで高い注目を集めはしないから。でも僕たちは、イングランドではFA杯が本当に重要なものだとわかっている。
ジョゼさんと彼の選手たちが、我々とファイナルとの間に立ちふさがっています―我々は彼らに勝てるでしょうか?
もちろん勝てる。今シーズン初め頃、彼らが余裕をもって勝利していた頃では、チェルシーは負かすのがもっと大変なチームだったと思う。守備も攻撃も彼らは非常にすばらしかったから。でも今はおそらく、シーズンの状況は少しずつ彼らに追いついてきている。彼らは常に簡単に試合に勝利できるわけではなくなっている。ここ何週間で彼らは勝ち点を落としているし、だから無敵だなんて雰囲気はもうない。試合当日、僕たちが上手く機能すればそこにつけ込めるはずだ。僕たちがチェルシーと対戦するという事実は、僕たちにとって戦う大きなモチベーションとなるだろう。
チェルシーの評判は少し落ちてきました。あなた自身の評判も同様に、昨年をある程度、それとも少し上回るものだと思いますか?
15ヶ月間ここにいて、僕がやったことよりもはるかにもっと多くのことをもたらせると思っていた。僕はもっと多くのことを自分に期待していたんだ。これは周りの人たちが僕に期待していることというのではなくて、僕が僕自身の期待を持っていたということだ。自分の期待に沿っていないのだったら、楽しくはやっていけないと思う。僕が、僕自身にとって一番厳しい教師なんだ。僕はサッカー選手としての14年間から、こういった状況から抜け出す唯一の方法はとにかく一生懸命に練習することだけだということを理解している。その点では僕は幸せだ。どんなに一生懸命僕が練習しているか、これからもどんなに一生懸命練習し続けていくか、僕はわかっているから。今の状況に関しては僕はすごくポジティブだよ。僕はリバプールで成功できるだろうとまだ確信している。
それでも批判はあなたを動揺させたはずですが…
僕はフットボールの世界をとてもよく知っている。だから批判は僕にとってはもう驚きではない。スペインにはこんな格言があるよ。ゴールを決めれば人は近づいてきて賞賛し話しかけたがる、でも悪い時期には人は近づきたがらず話したがらない、って。フットボールがどんなものか、僕は現実として十分に理解している。僕は批判に影響を受けずに、長い間プレイしてきた。得点すれば賞賛される。賞賛されないなら、それを受け入れなければならない。
あなたの華々しいキャリアの中で、あなたの能力に疑問が投げかけられたのはおそらく初めてでしょう―これがなおも成功しようという覚悟を促すものでしょうか?
僕は自分のキャリアでは高いレベルでプレイしてきたし、うまくやって来た。フットボーラーがプレイしていく上で、ピークの時も谷間の時もあるということを僕たち皆が知っている。トップフォームの時もあれば、もっと難しい時もある。いつでもトップフォームではいられないんだ。リバプールの皆はフットボールをする方法を知っている―どうやってプレイするか忘れてはいけない。そうすれば突然悪い選手になったりはしないから。たぶん僕はある意味僕自身の成功の犠牲だとも言えるだろう。人は僕を批判している。なぜなら彼らは、僕がプレイできる可能なレベルを知っているからだ。それは僕が受け入れるものだ。この先のある段階になれば僕は良いレベルに戻ることができると自分でわかっているよ。
リバプールに来たことを後悔したことは?
いや、まったくないよ。僕はとても幸せだ。マドリーを離れる時、僕はビッグクラブに行きたかったから。そして僕は正しい選択をしたと思っている。僕はただビッグクラブに来たというだけじゃなかった。タイトルを勝ち取ること、トロフィーを勝ち取ることにひどく飢えたクラブに来たんだ。このクラブの偉大な歴史や今このクラブが見せているものを考えると、リバプールは未だヨーロッパにおける非常に大きなクラブであり、その一部分でいられることに僕は本当に喜びを感じているよ。
この難しい時期に、監督やチームメイトから受けたサポートに、個人的にはどのくらい感謝しているでしょうか?
僕のことを知らないで、ただ試合での僕を見ているだけの人間からのコメントを読んでも、それは実際に僕を悩ませたりはしない。でも監督、裏方のスタッフ、チームメイトからのコメントだったら話は別だ。彼らは毎日のトレーニングでの僕を知っているし、どんなに一生懸命僕が練習しているかも知っている。そういうサポートを受けているということが僕の自信にとって大切なんだ。そういうサポートなしでは状況は変ってくるだろうから。
誰が何を言おうと、僕は常にベストを尽くしている。僕がプレイするどんな試合でも、僕は常に100%の力を出している。僕にとって状況が良くなれば、それが僕を支えてくれた人たちにお返しをして僕の感謝を示すのに良いことだと思う。
そうすると、あなたは移籍したがっているというわけではないようですが…
僕は4年の契約にサインした。その契約を全うしたいと思っている。ここにいたいんだ。この先の何年間かで、僕たちはピッチの上でいくつもの成功を手にすることができる自信が僕にはあるから。ここでの未来はとても明るい。同時に、この先何が起きるかは決してわからないものなんだ。特にフットボールの世界ではね。4年間は長い。でも今言えることは、僕はリバプールにいられて幸せだということ、そしてここにいたいということなんだ。
最近のフラム戦とバーミンガム戦でのゴールで、あなたの自信はどれほど高められたでしょうか?
いつでも決めたゴールの数で判断されるものだ。その2ゴールを決められたのは良かったよ。つまりその試合が終わる時に僕がそこにいられたからね。同時に、別の試合で僕が得点しないで終えてもフラム戦やバーミンガム戦が終わった時よりも幸せなこともある。僕が得点して同時に良いプレイもしていればそれは理想的だけど、いつもそうはならないよ。
なかなかゴールできないことに多くの批判が集まった後で、フラム戦で得点できた時にあなたは狂ったように大喜びしなかった。なぜでしょう?
本当にわからないんだ。どうやってあのゴールを祝ったか覚えていないんだよ。ゴールを祝うのにはたくさんのやり方がある。それが決勝点だったら、5-0で勝った試合の4点目を決めた時よりも狂ったように祝うだろうね。
最近はゴールが決まるようになりましたが、ストライカーたちがひどく批判されていたのはそう昔のことではありませんでした。その間フォワードの間にに、一緒になってあらゆる悪いものを解決しなければという強迫観念のようなものがあったのでしょうか?
正確なことは言えないだろうな。すべては続いているんだ。時には良い状態であることもあり、あるときは悪い時期に突入する。僕たちは、まったくゴールができなかった悪い時期の後、5試合で20得点した。マスコミが、僕たちが悪い時期にいるときには批判して、再び得点し始めたからといって突然どんなに我々のストライカーたちが偉大かと言い出すのには楽しませてもらってるよ。強迫観念ではなく、ストライカーたちはひとつに団結しているよ。僕たちはプロフェッショナルであり、悪い時期の後には良い時期がやってくるとわかっている。フットボーラーたちでさえも、なぜフットボールにはそんな波があるのか説明するのは難しいことなんだ。ただそういうものであり、僕たちはそれを受け入れている。
この国ではストライカーが、何点ゴールを決めたかということだけで判断されるのはフェアだと考えていますか?
フェアではないけどそう期待されているんだ。もしたくさんゴールを決めているなら、良い状態にあるという自信から試合でより良いプレイができるだろう。得点できないで自信を欠いていると悪い方向に影響を及ぼす。そして結局は過剰に大変な思いをすることになる。
ゴールスコアラーといえば、ロビー・ファウラーは契約を更新されるべきでしょうか?
ロビーが過去に成し遂げたことを僕は良く知っているし、彼の練習やプレイする様子を見ていて彼がこの先の未来に成し遂げられることもわかる。彼が契約を更新するのはとても重要なことだよ。
僕はフットボールを知りフットボールをテレビで見て若い頃を過ごした。でも試合を見ていなくても、確実にロビー・ファウラーとは誰かを知るだろう。ここでは彼はファンにとって真のアイドルなんだ。そして彼は、試合を見に行こうとする人たちに足を運ばせる原因の一部になっているんだと思う。皆は彼から何か特別なものがえられると期待しているんだから。
彼はイングランドにとっては最高のインターナショナルなゴールスコアラーであり、リバプールにとっても最高のゴールスコアラーだ。彼の通算成績がそれを物語っているよ。
自宅に帰りフットボールから家族へとスイッチを切り替えるのは簡単なものでしょうか?
フットボールが家庭生活に影響しないようにしようとするものだけれど、でもそれは難しいことだ。自分のプレイに満足していなくても、家に帰ろうとしたり部屋に鍵をかけて閉じこもったりはしないだろう。でもたぶん、僕はいつもしているようにしゃべったりはできないだろうね。妻はいつも、僕が完璧に満足しているかどうか見分けることができるんだ。子供たちのために、良い顔をして一緒に遊ぶようにする。でも仕事を家に持ち込まないでいることは不可能だよ。
奥様はここで幸せでしょうか?
そうだよ。もし家でのことが上手くいっていなければ、すぐにこの仕事はたぶん自分に合っていないんだと判断して状況を変える必要が出てくるだろう。でもそんな風にはなっていない。
4歳と6歳、2人のお子さんがいますね―お子さんたちは学校でハッピーで落ち着いていますか?
最初の頃は2人にとっては大変だったと思う。学校で自分の意思を伝えることが本当にできなかったのだから。でも今では、子供たちの進歩が本当に誇らしいよ。 子供たちが遊び場で話しているのを見ると、本当にきれいな英語を話すんだ。そんなにも違うんだよ。
もうミニ-スカウサー(リバプール訛)になったでしょうか?
確かに、娘の方はスカウスのアクセントだね。
彼女たちが話していることを理解できますか?
娘が学校が終わった後で友達を家に連れてくるときは、何をしゃべっているか聞こうとするんだ。でもほとんどの場合見当もつかない。簡単なことじゃないよ。妻は3番目の子を妊娠しているけど、この子はすぐに地元のアクセントを身につけるだろうと確信しているよ。
クラブには他のスペイン人選手、スペイン人家族がいます―メルウッドで過ごす以外の時間の多くを人付き合いのために使っているのでしょうか?
もちろん。選手全員が仕事以外でも一緒に過ごすのが理想的だろう。でも現実は必ずしもそうなるわけではない。ビッグクラブでは国籍の違う人たちがトレーニングの後の時間を一緒に過ごすことがわかるだろう。ここでもそうだよ。僕たちが社交的になる手助けになるのだから、これはポジティブなものだよ。リバプールには街としての魅力がたくさんある。僕たちはグループで外出して、歩き回ったり楽しんだりするのが簡単にできるんだ。
それでは、この街のストリートにいるファンたちがどれくらいフットボール狂かということがわかったに違いありません。
本当に驚いたことは、サポーターたちがどんなに行いが良いかということだよ。皆、適切な振る舞いをするんだ。もしファンが、選手が子供と遊んでいるところを見たら、彼らは真っ直ぐやって来てサインをねだったりしないだろう。遊びが終わるまで彼らは待つんだよ。十分な敬意をもって話しかける。素晴らしいことだよ。批判ではなく、これはスペインとはまったく違っている。
では、あなたは街中でまったくの見知らぬ人とフットボールについて会話を交わすことが何度もあった?
そうだよ。普通は次の試合のことや一般的なフットボールのことについて話しかけてくる。でもダービーの前週は、皆がひっきりなしにやって来て、僕はエバートン相手にゴールを決めなければいけないとかエバートンをやっつけなければいけないとか話しかけてきたんだ。僕はダービーがファンにとってそんなにも重大な意味を持つんだということが理解できたよ。あの試合で良い結果を出せたことは本当に嬉しいよ。
あなたは長い間フットボールをやってきています―リバプールのファンはベストでしょうか?
彼らは信じられないくらいすごいよ。世界のどこでフットボールをしても、皆がリバプールのサポーターのことを知っている。ここに来るまではアンフィールドでプレイする機会はなかった。でもリバプールのファンについては、リーガ・エスパニョーラの友人たちからいつも聞かされていたよ。僕自身もそれを体験したいと思っていたし、もちろん期待はずれになるようなこともなかった。試合中の彼らは最高だからね。
リバプールのファンがチームにもたらすのは期待するようなサポートだけではない。他ではめったにないことだけれど、彼らには敵に対する大きなリスペクトと感情とがあるんだ。敵の選手やチームが拍手喝采をあびるところなんてそんなに見られるものではない。今シーズンのCLで僕たちを負かしたベンフィカのようにね。
CLのグループリーグで対戦した時にレアル・ベティスのファンと会話したんだけれど、彼らはリバプールに滞在している間にリバプールファンから受けた手厚い歓迎について話してくれた。フットボールクラブとしてのリバプールの伝統は本当に特別なものなんだ。ここにいる誰もがそれを心から誇りに思うべきだよ。
今週末、選手とファンはヒルズボロの悲劇の追悼のために団結しました。1人の外国人として、1989年4月15日 はあなたにとってどんな意味を持つものでしょうか?
あの事故が起きた時、僕はまだ若かった。でもここにやって来ると、そのことをとても意識するようになる。この日がすべてのリバプールファンとクラブにとってどんなに重要かということを深く認識している。4月15日は、毎年敬意を表され想い出されるべき日付だ。昨シーズンリバプールとユベントスが戦った時にヘイゼルの悲劇が追悼されたことが正しかったのと同じように、今回の追悼も正しいものだ。ヒルズボロで失われた命のために悲しみをもってファンは団結している。あの悲劇で亡くなった人たちの代わりになることはできないけれど、僕はここにいて今このクラブの一員であるということを受けて、彼らの気持ちを感じている。
ここまでリバプールにとってどんなシーズンといえるでしょうか?
かなり良いものだったと言えると思う。一番ネガティブで苦味を後に残しているものは、CLでベンフィカに敗れたことだ。彼らをけなすわけではまったくないけれど、両チームを見比べたら2試合とも僕たちは彼らに勝てたはずだと思う。
そう、もし勝ち抜けていたとしても僕たちは次にバルセロナと対戦することになっただろう。おそらくヨーロッパでは最高のチームだ。でも僕たちが次に進んでいたら何が起こるかわからなかっただろう。
シーズン開始当時の最大の目標は、少なくとも確実にトップ4で終わること。そしてうまくいけば、僕たちはその目標に向かって突き進んでいるところだ。これでFA杯で優勝できれば、さらに良いことだね。
そして、あなたはスペインが大舞台で再び期待を裏切ることのないようにするため、ドイツに行こうとしている…
過去に、スペインの選手たちが大きな大会に過信して臨んだことはないと思っている。ただ新聞が部数を伸ばしたくて僕たちの可能性を実際に立てただけだ。イングランド、ブラジル、ドイツ、イタリアは大きな自信を持ってW杯に出場するだろう。彼らは頭高く上げていくだろうけど、僕たちはそうはできない。僕たちは足を地に付けて現実的に進んでいかなければ。僕たちは1試合1試合をものにして、そして何が起こるか見る必要がある。スペインの人たちは、僕たちにはグループリーグを突破する可能性が現実的にあるということを理解していると思う。それから何が起こるかを見る。スペインにはクオリティの高い選手たちがいるけれど、ドイツにいく他の国と同じようにタイトルを取ったことがないんだ。
それではどこが優勝するのでしょう?
できればスペイン、現実的に行くならブラジル。ブラジルは他よりもひとつレベルが上だ。それから3つか4つの国にもチャンスがある。彼らが良いプレイをして、それから少し運があればね。
このインタビューを通じて、あなたは笑ったりジョークを言ったり、そして全般的にとても良い雰囲気でした。批判があるのに、ここでは幸せそうに見えますが…
もし人生を楽しめないのなら、今私があなたに話しているように話すことができると思う? うまく見せかけるのは僕には難しいことなんだ。僕はまっすぐな人間で見たとおりなんだよ。もし僕が幸せでないなら、その通りの印象になっただろう。僕はとても幸せだ。リバプールを愛している。リバプールのファンたちを愛している。今の厳しい時期を切り抜けてこの先たくさんゴールを決められるという自信がすごくあるんだよ。
おわり
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