単なるやおいです。やまなし・おちなし・いみなしです。自己満足です。
BLのR18です。大丈夫な方だけどうぞ。
基本情報。
桜井浩介:高校教師2年目。身長177cm。見た目ごくごく普通。優しそう。
渋谷慶:大学5年生。身長164cm。中性的で美しい容姿だけど性格は男らしい。
二人は高校時代からの付き合い。
浩介のアパートが慶の大学に近いため、現在半同棲状態。
基本、慶が受けです。受けのほうが男らしいっていうカップルが好きなの。私。
今は冬ですが、作中は夏です。
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『風のゆくえには~R18・幸せな今』
最近の慶は、ものすごく忙しい。ここ2日間もほとんど寝ていない。
今も、床やベッドの上にまで資料を撒き散らして、テーブルの上のノートパソコンに向かっている。
おれはおれで机に設置したパソコンで、部活の練習計画表を作っていたのだけれど……。
「あーーーもーーー無理。集中できねーーーー」
いきなり慶が叫んで、ごんっとテーブルに突っ伏した。驚いて振り返る。
「だ、大丈夫……?」
「お前さ……」
テーブルにあごをのせた状態のまま、こちらを見上げる慶。
「それ急ぎ?今やらないとダメ?」
「あ……ううん。大丈夫だけど……、あ、ごめん。うるさかったね」
おれのキーボードを打つ音が気になったのに違いない。
「おれ、ちょっと出てくるよ。一人の方が集中できるでしょ」
あそこのファミレス、何時までやってたかな……
今、夜の9時。ファミレスが2時までだとしても5時間は一人にしてあげられる。
「ちょっと待ってね。保存しちゃうから……」
「そういうことじゃなくて」
慶が立ち上がる気配がした。
「別にうるさくなんかねえし」
そして、パソコンに向かっていたところを後ろからぎゅううっと抱きしめられた。
「我慢の限界で集中できねーって言ってんの」
「え」
ドキッとする。言葉の意味を考えるよりも前に、後ろから耳たぶをくわえらた。
「やらせろって言ってんだよ」
「ちょ……っ」
慶の柔らかい唇が首元に落ちてくる。
「慶、時間ないんじゃないの?!」
「ないからさっさとやろーぜ」
こらこらこらっ。
「待ってってば。ほら、ベットの上だってプリントだらけだし、そこらじゅう本も散らばってるし、場所が……っ」
「廊下廊下」
「えええっ」
胸倉をつかまれ引っ張られる。
廊下に台所があるような狭いアパートなのだ。
「ここでいいだろ」
廊下と部屋の境目あたりで、頭を引き寄せられ、有無をいわさず唇を重ねられた。求めながらも、器用におれのベルトを外している慶。
「ちょ…っ待…っ」
なんとか押し返すと、慶は苛立ったように「ああ?」と「あ」に濁点をつけてこちらを見上げた。
「なんだよ?」
「だって、ほら、準備するものが……」
「いいよ。んなもん」
「いいよって、慶が痛く………。っっ」
続けられなかった。どうしようもない快感が体中をかけめぐる。
慶がおれのものを含んでいる。わざと唾液を多く含ませながら舌が味わうように動いている。軽くかまれ我慢できなくて声をあげる。
「慶……っ」
「これでいいだろ? ………こいよ?」
「…………」
この目に抗える奴なんているわけがない。
押し倒しながら慶のGパンを剥ぎ取ると、自分のものをゆっくりと慶の中に押し入れる。
「……っ」
一瞬、苦痛にゆがめた慶の顔に、動きが止まってしまったが、慶が首を振ったのでそのまま進む。
足を引っ張りあげたので、慶は肩と頭だけが床についている状態。電気もつけっぱなしだから、その綺麗な顔が良く見える。
「慶……」
その顔を見ながらゆっくりと腰を動かす。我慢するように眉を寄せているところがたまらない。
感じてくれているんだろうか?
という疑問はすぐに解消された。慶のものも一つの命を持ったように大きくなっている。
「ちょ…っ浩介、触んなっ」
「うん……」
言いながらも、優しく掴む。親指で触れる先の方にぬるぬるとした感触が伝わってくる。
「だからっ触んなってっ。お前、この角度でいったら……っ」
「うん……」
慌てた慶の顔……。かわいすぎる。
そうだね。このままこの角度でいったら、自分のものが自分の顔にかかっちゃうかもね?
「浩介……っ」
腰の動きを早くすると、ぐっと慶が唇をかんだ。その上で手も激しく動かす。手の中で慶が熱を帯びてくる。
慶が我慢のしすぎで涙目になってきている。……その顔、たまらない。
早く早く早く動かし続け……
「…………っっ」
声もあげず、慶が果てようとした瞬間、さっと引き抜き腰を抱くと、慶のものを口に含んだ。待たずして勢いよく口の中にあの苦味が広がってくる。
ゆっくりと床におろし、慶のものが力をなくすまで舐め続ける。
しばらく、呆けていた慶だったが……
「………………お前、わざとやったな?」
「…………」
これは怒っている……相当お怒りだ……。しまった。調子に乗りすぎた……。
「いや、その…魔が差したというか…慶の困った顔があまりにもかわいすぎて……」
「……………へえ?」
「いたっ」
肩口を蹴られ、ひっくり返った。その上に慶が乗っかってくる。
「次、お前の番な?」
「え」
聞きかえす間もなく、慶がおれのものをしごきはじめた。さっきいきかけていたので、すぐに大きくなる。
そこに慶が腰をおろし、ゆっくりと動かしはじめた。
時折、中の圧縮をかけてくるので、そのたびにいきそうになる。
「待って、慶、そんなキツくしたらいっちゃうって」
「いけよ?」
「だったら、ちゃんとゴムして……」
「いいから」
「よくないよ。あとで慶が大変……」
「いいから」
押しのけようとした手を掴まれた。絡ませるようにつなぎ、床におしつけられる。
腰の動きが激しくなってくる。のけぞった慶の白い喉。色っぽい。凝視してしまう。
「暑い」
視線に気がついたのか、慶がボソッと言ってTシャツを脱いだ。引き締まった身体。伝っている汗。ゾクゾクする。
もう、限界だ。
理性を手離し、慶の足の指にしゃぶりつく。
脇腹のあたりに爪が食い込んだ感触がする。
頭が真っ白になる。何も考えられない。快楽の波が押し寄せてくる。
「慶……慶っ」
ぎゅうっと引き締まった慶の中で、一気に解放された。
「ああ………」
ドクンドクンと心臓の音が聞こえてくる。
繋がったままこちらを見下ろしている慶を今すぐ抱きしめたい……けど無理。脱力……。
ふうう……と大きく息をついてから、
「………あれ?」
気がついた。まだ抜いていない。のに?
おれの腹の上に生温かいものが広がっている。これ、慶の……?
「………慶?」
「だーかーらーたまってたんだってっ」
怒ったように言う慶。……かわいすぎる。
「なんか……嬉しい」
こんな立て続けに二回も。しかも二回目は直接の刺激なしでいってくれたなんて。
「なんだそりゃ」
慶が苦笑しながらゆっくりと引き抜き、すぐ横の棚においてあるトイレットぺーパーに手を伸ばした。
トイレットペーパーだと、何枚か重ねでサッと拭かないとへばりついてしまう、という難点はあるものの、トイレにそのまま流せるという利点は大きい。普通のティッシュはきれいに取れはするけれど、匂いが気になる(気にしない人は気にしないんだろうけど、おれは気になる)ので、一度ビニール袋にいれないといけないのが面倒くさい。ということで、最近は行為のあとにはトイレットペーパーを使うことにしている。
「お前、たまってなかったのか?」
腹の上を拭いてくれながら、慶が言う。
「あー……昨日自分で抜いた」
正直に言う。けど、仮眠中の慶を見ながら抜いたってことは秘密にしておく。
慶は手をとめ、眉を寄せた。
「そういうときは誘えよなー」
「だって慶、忙しそうだったから……」
「あーーーーそうだった……」
がっくり、と慶がうなだれる。
「現実に引き戻された……」
「慶、シャワー先どうぞ? その、生でしちゃったから……」
「あー……うん」
「着替えだしておくよ。もう部屋着でいいよね?」
「うん。助かる……」
慶はのろのろと体を起こすと、浴室に入っていった。
「……さ。掃除しよ」
おれも現実に戻り、あたりを見回す。あちこちに残骸が…。慶が歩いたあとにもポタポタとしずくがおちている。そこらへんもトイレットペーパーで拭いて回ってから、ウェットティッシュであたり一面を何度か拭く。それから台所で手を洗って、慶の着替えの用意。
慶が出てくるのにギリギリで間に合った。
慶は風呂場で何か思いついたのか、ラフな部屋着にタオルを頭に巻きつけた格好で、
「あの症例を先に…………」
ブツブツブツブツ言いながら、そのまま真っ直ぐノートパソコンの前に座った。
スイッチが入ったらしい。これはしばらく話しかけられない。
おれも今のうちにシャワーを浴びることにする。
先ほどの慶の切なげな顔を思い出して再びむくむくと起き上がってくるものを、冷水浴びせて引っ込ませる。
早く出て、慶の髪を乾かしてあげないと。飲み物も入れてあげよう。
浴室から出ると、ちょうど慶がベッドの上に散らばった本を取ろうとしているところだった。完璧に整った横顔。見とれてしまう。
(ああ、幸せだなあ……)
しみじみと思う。この人がおれの部屋にいてくれる。おれの用意した服を着て、おれの掃除した場所に座ってる。生活を共にしてくれている。
視線に気がついたのか、慶がこちらを振り返り……、そして、ふっと笑った。
なんだ?
「なに?どうかした?」
「んーーー」
再び本に目を落とし、パラパラとめくりながら、慶がポツリという。
「なんかいいなあ、と思ってさ」
「何が?」
「振り返ったときに、お前がいるってのが」
「………」
わああ、抱きしめたい!!
と思ったけど、我慢我慢……。
「髪乾かそうか」
「んーーさんきゅー」
なんだか難しそうな専門書を読んでいる慶。文系頭のおれにはまったく理解できない。
慶の柔らかい髪を優しく梳かしながらドライヤーで乾かしていく。されるがままの慶が愛おしくてたまらない。
「飲み物入れるよ? コーヒー? 紅茶? ホット? アイス?」
「あったかい紅茶ー」
「了解。……ん? なに?」
立ち上がりかけたところ、腕をつかまれた。
「浩介」
「ん?」
身をかがめると、いきなりキスされた。
呆気にとられたおれに、慶は何事もなかったかのように、
「紅茶、砂糖多めで頼む。甘ーいのが飲みたい」
「…………」
再び本に目を落とす慶。
いや…本当に…。
幸せすぎて、おれもう死ぬんじゃないか?と思う。
それか、このツケが回ってきて、これから不幸のどん底に突き落とされるんじゃないか?と思う。
「ちょっと待っててね」
頭を振り、嫌な考えを追い出す。
今の幸せを味わおう。
愛しい慶の頭のてっぺんに口づけると、甘ーい紅茶を入れに台所に向かった。
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今回、真っ先に私の頭の中で再生されたのは、
慶の「こいよ?」と「お前、わざとやったな?」の2シーンと、
事の後に、掃除してまわる浩介の姿でした。
エッチしたあとって、結構大変じゃないですか?
ドラマとかだとそのまま朝だったりするけど、浩介潔癖症だから、後片付けうるさいです。
そんな二人の日常が書けて満足満足。
この時点で、慶が24歳なりたて。浩介が23歳、もうすぐ24歳。
若いなーいいなー。
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