ブラジルのサントス港から出荷された珈琲豆は、すべて「ブラジルサントス」という名で呼ばれる。
「ブラジル NO.2 M18」という銘柄の珈琲豆がある。これは名前なのだろうか?
ブラジルの珈琲豆のランクはNo.2が最高評価。なぜなら、自然のものである限り、完璧なものはありえない。つまり欠陥豆が混入している可能性は否めない。してからに、No.1は無しにして、No.2が最高評価となっている。M18は珈琲豆のサイズを表す。M18より大きい豆はM19。
ということは、「ブラジル NO.2 M18」にも、「ブラジルサントス」の中にも、珈琲の種類の名前は入っていないということになるのだが・・・。
例えば、この珈琲を飲んで、この珈琲が好き!となって、この珈琲を買いたい!とか、また飲みたい!とか、人に薦めたい!とか思った場合、どうしたらいいのだろう?
ブラジルのどこの農園のなんていう種類の珈琲豆?
と聞かれることになるんじゃないのか?
というのが、最近の悩み。
ボスキャラのおば様がいる珈琲豆専門店の話。
コロンビアってコーヒーはないとか、ブラジルって名のコーヒーはないとか。
よくよく考えてみればそうだ。キリマンジャロはタンザニアのコーヒーだし、ブルーマウンテンはジャマイカのコーヒーだし、マンデリンはインドネシアスマトラのコーヒーだった気がする。
コロンビアとかブラジルって、おかしいじゃないか。そりゃあそうだよ、おかしいじゃないか。
まぁいい。ひとつ勉強になった。
おば様は畳み掛けてくる。
「珈琲、好きなのね?なんの珈琲が好きなのかしら?」
ここでおかしな回答をするわけにはいかない。もう既に出鼻は挫かれている。
何も知らない素人だと気づかれてしまう。
いや、僕は何も知らないトーシローではないはずだ。
長年培ってきた「エセコーヒー好き」というプライドだってある。
いや、最近はほんとに、コーヒーが好きなのだ。
美味しい珈琲に目覚めたのだ。
大体からにして、「美味しい」なんていうのは主観なわけで、自分が美味しいと思えば美味しいわけで・・・。
そうそう、ポツネン珈琲スタンドの珈琲は美味しいと思うわけで。
始まったばかりのニュー珈琲ライフを、僕は存分に楽しみたいわけで。
いやぁぁぁぁ、ダイジョウブかしらぁぁぁ。
「同じ轍は踏まない」
これは、重要なことである。
ここで「ブラジル」とか「エチオピア」なんて言わない。
だからといって、守りに入ったりはしない。
いつも正直に、いつも等身大で、が信条。
一応、心の中で確認する。
キリマンジャロは大丈夫だよな。
キリマンジャロって言っても大丈夫だよな。
前にも書いたが、最近、キリマンジャロをよく飲んでいる。
スーパーマーケットで買ったクズ豆もキリマンジャロ。ポツネン珈琲スタンドで買った豆もキリマンジャロ。
大丈夫、大丈夫。僕は答える。
「キリマンジャロ、好きです」
へへへ、言っちゃった。キリマンジャロ、ラブ。
へへへ、キリマンジャロ、美味しい。
おば様の反応である。
まず、はぁぁ、とため息をつく。
なぜだろう。
そして言う。
「うちの店はキリマンジャロは置いないのよ」
なぜ置いていないのだろう。なぜだろう?
「なんでですか?なんで置いてないんですか?キリマンジャロ!タンザニアのキリマンジャロ!」
と僕は問う。おば様に問う。
おば様は一言、こう言った。
「だって、美味しくないから」
僕はさ、その時、凍ったみたいだよ。
カチコチーン、ってね。
人って、凍るんだね。
ビックリしたよ。
そして、僕は、その瞬間から、おば様の弟子になったと。
そういう話。
言ったよ。本当に。
「弟子にしてください!」って。
心の中で。
つづく。
「ブラジル NO.2 M18」という銘柄の珈琲豆がある。これは名前なのだろうか?
ブラジルの珈琲豆のランクはNo.2が最高評価。なぜなら、自然のものである限り、完璧なものはありえない。つまり欠陥豆が混入している可能性は否めない。してからに、No.1は無しにして、No.2が最高評価となっている。M18は珈琲豆のサイズを表す。M18より大きい豆はM19。
ということは、「ブラジル NO.2 M18」にも、「ブラジルサントス」の中にも、珈琲の種類の名前は入っていないということになるのだが・・・。
例えば、この珈琲を飲んで、この珈琲が好き!となって、この珈琲を買いたい!とか、また飲みたい!とか、人に薦めたい!とか思った場合、どうしたらいいのだろう?
ブラジルのどこの農園のなんていう種類の珈琲豆?
と聞かれることになるんじゃないのか?
というのが、最近の悩み。
ボスキャラのおば様がいる珈琲豆専門店の話。
コロンビアってコーヒーはないとか、ブラジルって名のコーヒーはないとか。
よくよく考えてみればそうだ。キリマンジャロはタンザニアのコーヒーだし、ブルーマウンテンはジャマイカのコーヒーだし、マンデリンはインドネシアスマトラのコーヒーだった気がする。
コロンビアとかブラジルって、おかしいじゃないか。そりゃあそうだよ、おかしいじゃないか。
まぁいい。ひとつ勉強になった。
おば様は畳み掛けてくる。
「珈琲、好きなのね?なんの珈琲が好きなのかしら?」
ここでおかしな回答をするわけにはいかない。もう既に出鼻は挫かれている。
何も知らない素人だと気づかれてしまう。
いや、僕は何も知らないトーシローではないはずだ。
長年培ってきた「エセコーヒー好き」というプライドだってある。
いや、最近はほんとに、コーヒーが好きなのだ。
美味しい珈琲に目覚めたのだ。
大体からにして、「美味しい」なんていうのは主観なわけで、自分が美味しいと思えば美味しいわけで・・・。
そうそう、ポツネン珈琲スタンドの珈琲は美味しいと思うわけで。
始まったばかりのニュー珈琲ライフを、僕は存分に楽しみたいわけで。
いやぁぁぁぁ、ダイジョウブかしらぁぁぁ。
「同じ轍は踏まない」
これは、重要なことである。
ここで「ブラジル」とか「エチオピア」なんて言わない。
だからといって、守りに入ったりはしない。
いつも正直に、いつも等身大で、が信条。
一応、心の中で確認する。
キリマンジャロは大丈夫だよな。
キリマンジャロって言っても大丈夫だよな。
前にも書いたが、最近、キリマンジャロをよく飲んでいる。
スーパーマーケットで買ったクズ豆もキリマンジャロ。ポツネン珈琲スタンドで買った豆もキリマンジャロ。
大丈夫、大丈夫。僕は答える。
「キリマンジャロ、好きです」
へへへ、言っちゃった。キリマンジャロ、ラブ。
へへへ、キリマンジャロ、美味しい。
おば様の反応である。
まず、はぁぁ、とため息をつく。
なぜだろう。
そして言う。
「うちの店はキリマンジャロは置いないのよ」
なぜ置いていないのだろう。なぜだろう?
「なんでですか?なんで置いてないんですか?キリマンジャロ!タンザニアのキリマンジャロ!」
と僕は問う。おば様に問う。
おば様は一言、こう言った。
「だって、美味しくないから」
僕はさ、その時、凍ったみたいだよ。
カチコチーン、ってね。
人って、凍るんだね。
ビックリしたよ。
そして、僕は、その瞬間から、おば様の弟子になったと。
そういう話。
言ったよ。本当に。
「弟子にしてください!」って。
心の中で。
つづく。