冬の星座、オリオン座。
オリオン座の腕のところにペテルギウスはある。
ペテルギウスではなく、ベテルギウスが正式だという。
英語の発音だとビートルジュースになったりもする。
でも、そんなことは関係ない。
この唄は、ペテルギウスの憂鬱という名前の唄だ。
空を見上げる。そこには雲があったり星があったり月があったり。
いつ、空を見上げる?
それは、きっと、少し悲しい時だったり、少し憂鬱だったり、少し落ち込んだりする時だったり。
なぜ、いつも空を見上げない?
それは、悲しくもなく、憂鬱でもなく、落ち込んでもいない時は、空の存在を忘れてしまっているから。
僕は、仕事の休憩中、カレンダーばかりを見ている。なぜかずっと、カレンダーだけを見ている。たぶん、きっと、仕事を辞める日まであと158日・・・とか、ずっと数えているのだと思う。馬鹿みたいにずっと、カレンダーを見ている。
そして、仕事を辞めると、カレンダーなど一切見なくなる。カレンダーの存在など、忘れる。
それと同じ?
違うの?
なんでもない時に空を見上げるのは素敵だ。
ふと、なんの意識もなく空を見上げた時、そこに星空や、三日月や、水色の空や流れる白い雲があったりすると素敵だ。
「やぁ、ハロー!」と声をかけたくなる。
空はいつもそこにいてくれる。
月も星も太陽も雲も、いつも、どんな時もそこにいてくれる。
なぜだろう?
きっと、優しいからだと、僕は想う。
優しさに包まれることを忘れなければ、きっと僕たちは、大丈夫だ。
僕は、そう想うよ。
さぁ、泣かないで。
僕が歌ってあげるよ。
今夜も空に浮かんでいる、ペテルギウスの唄を。
「ペテルギウスの憂鬱」
風の行く先を知ってますか?
冬の星座を知ってますか?
僕の知ってる事は残らず全部君に教えてあげたいんだ
僕の行く先を知ってますか?
あの月を君のために獲ってきてあげたい
星を集めて首飾りを作ってあげたい
でもね、僕にはそんなことできっこないんだ
ごめんね、僕には何一つできやしないんだ
でも君に逢いに行きたいんだ
君に逢えれば僕はそれだけでいいんだ
君が笑ってくれればそれだけでいいんだ
欲を言えば・・・優しいキスをください
君の好きなチーズケーキように
君の好きなイチゴのように
僕もそんなものになって君を溶かしてしまいたいんだ
空に輝くペテルギウスのように
神話の中のオルフェウスのように
君が寂しい夜には僕が守ってあげたいんだ
でもね、僕にはそんなことできっこないんだ
それでも君に逢いに行きたいんだ
君がそばにいてくれればそれだけでいいんだ
君がちょっと笑ってくれればいいんだ
欲を言えば・・・優しいキスをください
そして僕は神様を探すんだ
そして僕は天使の居場所を聞き出すんだ
君の胸を撃ち抜くキューピットの矢を見つけ出すんだ
何から何まで嘘なんかじゃないよ・・・僕は本気さ
君に逢いに行きたいんだ
君に逢えれば僕はそれだけでいいんだ
君が笑ってくれればそれだけでいいんだ
君に逢えたらジョークも控えめにするんだ
君に逢えたらずっと手をつないでいるんだ
君に逢えたら二人で流れ星を探すんだ
君に逢えたら・・・君に逢えたら・・・
君に逢いたい・・・逢いたいよ
欲を言えば優しいキスを・・・ください