コデラーマン。コデラーマンは今やサラリーマンなので、毎日遊んでいるわけではない。働いているのだ。
でも、コデラーマンは毎日ねぶたのキャンプ場にいる。これはいかに?
ねぶた初日と二日目は土日。コデラーマンは張り切って、ねぶたに参加した。
三日目からは平日。青森から40キロほど離れた五所川原市の会社へと行かねばならない。今の彼の住まいも五所川原だ。
三日目から、コデラーマンは青森市のねぶたキャンプ場から会社に通ったのだ。
朝、6時半に起きて、7時に出発。8時に出社して、夜の8時まで働く。会社が終わったら、その足でキャンプ場近くの温泉銭湯へ。銭湯でガリガリくんを食べてからキャンプ場の自分のテントへと帰ってくる。毎日。
一緒に買い物に行って、ワイワイご飯を食べて、夜中の3時半頃までワイワイする。
「もう、寝る時間がないじゃないですかぁ!」と、文句を垂れながら、自分のテントへ戻っていく。そして、朝の6時半に起きて会社へ行く。
この人、死んじゃうんじゃないかな?と、何度も思った。
コデラーマンが、毎日来てくれたおかげで、毎晩ホントに楽しかった。すごく、感謝している。お互いに、相当眠かったけど、感謝している。
だが、そんな毎日にも、終わりは来る。それが今朝。
土砂降りの中、カッパを着て、コデラーマンはテントを片付ける。五日連続の3時間睡眠。きっと、もう死んじゃう。
そして、土砂降りの中、水しぶきをあげながら、五所川原の会社へと去って行った。
僕は、そんなコデラーマンを見送りながら考える。
さて、どうすっかな。すごい雨だな。どうすっかな。今日出発するのやめようかな。どうすっかな。
周りはみんな水浸しパニックになっている。
僕は、一人考える。
どうすっかなぁ。
とりあえず、ちょっと、もう一回寝よう。寝てから、ゆっくり考えよう。
僕のテントは、なぜか、濡れていない。僕がテントを張った場所は、まったく浸水していない。隣にテントがあった場所は、すでに沼になっている。なのに、僕のテントがある場所は、まるで空中に浮かぶかのように、陸地のままだ。
不思議だなぁ。なんでここだけ浸水しないのかなぁ。ラッキーだなぁ。幸運だなぁ。おれ、ついてるなぁ。さぁ、もう一回寝よう。ってことで、9時半まで眠った。
すさまじい雨の音と、けたたましい消防車のサイレンの音をBGMにして、9時半まで眠った。