閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

傘が無い

2015-07-23 08:29:22 | 閃き
梅雨の季節には傘が必需品である

いつもはコンビニの安い傘であるが、柄の所にイニシャルのアルファベットを貼り付けている

安い傘だが大切にしているので、もう何年も使用しているので愛着さえある


近くの街まで得意先の専務と部長が来ているので打合せ方々夕食に呼ばれたので電車で向かった

部長が営業所長時代に使用していた店へ、未だ開店の札が出る前に入り込む

梅雨とはいっても蒸し暑い気候なので、生ビールで乾杯した

仕事の打合せもこんな雰囲気でできるのなら取引も順調である証拠だと、世間の風潮に反して親爺達は勝手な理屈をこねていた

一通りお腹を満たした後、もう一軒ワインでも飲もうと言うことになり、知り合いのシニアソムリエのいる店にゆく事にした


繁華街の歩道は傘の花畑よろしく賑わっているが、行き交う時には邪魔になる

お互いに譲り合ってスムーズに行き交う光景はマスゲームにも似た気持ちよさがあると感じながら歩いた


シニアソムリエの進めるワインはどれも美味しく、ワインの口当たりの良さもあってか、専務から重大なお話しを聴くことが出来て思わぬ収穫を得た

これも飲みにケーションの成果である

時間もよい時間帯になりお開きとなって店をでると、なんと私の傘が無い

傘立てには専務の高級傘と、部長の折りたたみ傘があるのみ

明らかに故意に持ち去った事が判る


専務の高級傘を選ばずに、柄にイニシャル入りの判りやすい安いコンビニの傘を選ぶのは日本人らしいと感じた

人のものを盗む事への罪悪感を少しでも軽くしようとする気持ちから安いコンビニの傘を選ぶ

これが外国なら間違い無く高級なのを選んでいるだろう


安いコンビニの傘を長く使用したから、まぁいいか

これも日本人らしい感覚だった
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする