PCを開けると取り敢えずメールを見る。
100件に1件くらい、家族や知り合いのメールが入っていることがあるから・・・。
ところが今日はとあるニュースサイトのメールの呼び込みに引っ掛かってついつい時間を費やしてしまった。
「飛行機が空を飛ぶことについて実はよくわかっていないのだ」という通説に反論した、「飛行機がとぶ理由は100年前から分かっていた」という学者の対談記事がとても面白くて、読み続けているうちに、その根拠や細部は「ここ」という文字の「ここ」をクリックしたら、これがまた面白い。
おまけに、その文章の中にも変わった科学者の紹介があって、その科学者の唱える「論説」にまでジャンプしてしまった。
これがまた、滅茶苦茶な面白さで、世の中はやっぱり「極端な思い込み」をするか「認知症」になるかした方が勝ちだなと思った。
まあせいぜい「知的好奇心」というやつで、ボケ防止に励むとするか。
知的好奇心の代表格は読書ということで、今日の本は分厚い。
カバーまで入れると厚さは4.2Cmもあるし、目方も重い。
梅原猛著作集8「神々の流竄」(かみがみのるざん)1981第1刷集英社
「古事記」にまつわる内容だが、「日本書紀」「続日本紀」「古事記伝」その他、風土記や各神社の延喜から、歴代諸学者の著作物とその論点の比較などなど多彩な資料を駆使して・・・・。
登場する神々の運命が、後世に登場する権力者の運命と符合するあたりはまさに興味津々、そして「古事記が編纂された時代の権力構造」から、読まれるために存在する著作物は「誰を想定して著されたか」となっていく。
著す目的がある程度判明すると、神々の系譜を明らかにしつつ幾多の神々が登場し、そして悪い神々は出雲に流されていく。
神々をも流罪にしてしまうところが人間くさい。そしてその神々を先祖として崇めている権力者も又現実の歴史の中で排除されていくという分析である。
その道の専門家に言わせると、著者の考えは当たっていないという者もいるだろうし、単なる推論だという者もいるだろう。
しかし世の中は専門馬鹿という言葉もある如く、他分野にまったく疎い人間の方が多いのが実情で、新発見とか新原理はあらゆる研究を総合的に分析して自説を補強しつつ導き出されることが往々にしてある。
タヌキオヤジの徳川家康は山岡荘八に救われ、乃木将軍は司馬遼太郎によって指揮官としての資質を問われることとなった。
さて、前述のネットのニュースサイトに出てきた学者が新定理を発見したという。「〇〇の定理」といって「①自分の意見は主張するが相手の主張は聞かない。②サルは反省するが人間は反省しない」というものだという。
学者の論争もなかなか面白いが、出来れば素人も分かり易い言葉や例話で、出来れば実験映像などを交えていただければ更にいい。
STAP細胞の有無も、論争の焦点は研究内容とはまったく別な組織保全と個人の権利主張の話ばかりで、知的好奇心は一向に擽られない。
五月の空も心なしかうっすらと靄がかかって、晴れているのにスカッとしない。