プチ旅行と銘打ってのお出かけだったが、あっと言う間に出かけてあっと言う間に帰って来た。
旅の目的地は天草下田温泉。
とにかく温泉と夕陽が売りの古い温泉町。
道中の見聞録はまた明日にして、取りあえず下田温泉の宿へ。
(下田温泉)
半分は夕陽が当たり、半分は夕まぐれのような状態。
旅館にチェックイン後、相方を宿に残し、私一人で沈む夕陽を追いかけて撮しに出かけた直後の町の風景。
相方は「夕陽の何が良いのか判らない、私は朝日が好き」の派。
(東シナ海というか天草灘に沈む夕日)
沢山の人達が、撮影ポイントを抑えてカメラを持って待ち受けていた。
ところが世の中甘くない。
雲が出て、太陽も風前のともしび。
(奇岩がごろごろ)
岩と黄金色の海のコントラストを狙うのがやっと。
諦めて引き上げる人達も・・・。
(玄日?)
太陽は沈む前に雲に半分以上隠れていたが、その左側に太陽のように明るい一点が出来ていた。
玄日という現象だと思う。
(トンビ)
ピーヒョロロと、漫画の噴出しに書いてありそうな基本的な鳴き方をしていた。
一羽が鳴くと、どこからか応答する如く鳴く声が聞こえてくる。
夕陽の沈む海をじっと見つめる姿は、なかなか格好いい。
日没は17時10分だからと、粘っている人もいたが、私は諦めて相方の待つ宿に向って引き上げた。
古い温泉で、数多くの文学者も訪れ作品の中に登場させている。
さしずめ志賀直哉が来ていれば「下田にて」なんて作品もあったかも・・。
取りあえず北原白秋・与謝野鉄幹らの「五足の靴」が有名。
で、今夜の宿はその時代から有ったのではと思わせるような、下田温泉屈指の古さ。
(宿:伊賀屋)
コンクリート造りのホテルに囲まれて、此処だけがずば抜けた古い木造旅館。
うぐいす張りの木の階段を上り、ほぼ360度ぐるりと回って、一番奥の二間続きの和室へ。
改修間もない狭いトイレや、木造の欄間の穴を貫くエアコンのダクトなどなどが意表を突く。
夕食は部屋食で、この辺りではかなりランクの高い宿泊施設「五足の靴」と同じ料理人が作った海の幸が眼前に展開。
しかし、昼飯に関わる諸般の事情があって、相方は満腹状態が回復しないままで、戦わずして所謂不戦敗を宣言。
その馬鹿馬鹿しい理由によって、理不尽にも私一人が目の前の料理と戦うはめに。
多勢に無勢、一人前すらもナントも出来ずあっけなくギブアップ。
「何故かように料理を残すのか」と、詰め寄る女将に平身低頭「斯く斯くしかじか」と内情を告白。
夕食が手ぐすねを引いている状態がでは、くれぐれも昼飯には要注意という教訓を得た。
ここまで書きながら、思い出すにつけどっと疲労を覚える。
よって、道中記はまた明日のこころだァ~。
「旅の宿今は食い気もない話」・・・しろ猫
あ!忘れるところだった、温泉はとても良くて二度入ってしまった。