先日、乾くるみさんの「リピート」の話をし、その中で、北村薫氏の作品“時と人”シリーズについて言及したと思います。
そこで今回は、北村薫氏の作品“時と人”シリーズ三部作について少し触れさせて戴きたいと思います。
書名:スキップ、ターン、リセット 〔A6判;文庫本〕
著者:北村 薫
発行所:株式会社 新潮社
初版発行日: ①スキップ;1999年7月1日
②ターン ;2000年7月1日
③リセット;2003年7月1日
ジャンル:ミステリー
本の内容については、BOOK DATABASEが概要を正しく伝えていると思うので、それを紹介させて戴きます。
<本「時と人シリーズ」の概要>
①スキップ
17歳、高校2年生の一ノ瀬真理子は、九月、大雨で運動会の後半が中止になったの日の夕方、家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた。昼寝から目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。自分が25年後の世界にいて、夫も子どももいる ……
②ターン
画家の森真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。しかし、この世界には真希のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った ……
③リセット
太平洋戦争の末期、神戸に住む女学生の水原真澄は、友人の従兄の結城修一に恋をするが、戦時下であるという状況から、お互いに想い合っていた。30数年に1度しか見られないという獅子座流星群をいつかふたりで眺めてみたいと真澄は心に期していた。だが恋は実らず、修一は空襲により死亡する。やがて終戦を迎え、東京オリンピック開催が近づく昭和30年代前半、小学5年生の村上和彦は自費で小学生に絵本や児童書を貸し与える女性(水原真澄)と知り合う。折しも獅子座流星群の到来まで、あと4年と迫っていた…。
これらの本は、1999年(平成11年)に書店で何気なく文庫本の「スキップ」を手にしたことから始まった購読です。(ついでに言うなら、ケン・グリムウッド氏著作の「リプレイ」購読もこの流れです。)
従来から浮世離れした摩訶不思議な話が好きです。古代小説、冒険小説、スペースオペラ、未来科学小説など。
このシリーズの内容は古(いにしえ)以来、テーマとして取り上げられてきたことだと思いますが、色褪せてはいません。とても不思議な世界に引き込まれ、すぐにも次を読みたくなる、そんな日常的なミステリー小説です。
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○ リピート(「リプレイ」&「そして誰もいなくなった」も)