別れの季節になりました。数ある卒業ソング。スピッツで言えば、「空も飛べるはず」の印象が強いですが、これはドラマ「白線流し」の主題歌に起用された影響が大きいのだと思います。むしろ歌詞そのもので卒業にふさわしいのは「若葉」だと思います。
優しい光に
照らされながら
当たり前のように歩いてた
扉の向こう
目を凝らしても
深い霧で何も見えなかった
ずっと続くんだと思っていたけれど
指の隙間からこぼれていった
思い出せるいろんなこと
花咲き誇る頃に
君の笑顔で晴れた街の空
涼しい風
鳥の歌声
並んで感じていた
繋ぐ糸の細さに気づかぬままに
若葉に限らず、草野さんの言葉は横文字や流行りものが少なく、普遍的なものが多いですね。だから古くなりません。
「優しい光に照らされながら当たり前のように歩いてた」
これが大人になってみると当たり前ではないんですね。
「深い霧で何も見えなかった」のは遥か未来でしょうか。
「ずっと続くんだと思っていたけれど」
確かに思ってました。特に小学生の頃は。
「君の笑顔で晴れた街の空」
美しい。正確に言えば、雨上がりの光に君の笑顔があったということなんでしょうけど、才能のある人はこのように表現するんですね。
「繋ぐ糸の細さに気づかぬままに」
それはどこかで分かってるんですが、友情が卒業した後も続くと信じたい気持ちが勝って、糸の細さを考えないようにしていたような気がします。
「若葉」は少年期の別れを見事に捉えた名曲だと思います。実際の若葉と人としての若葉の頃をさりげなく重ねているのも、草野さん、さすがです。