二月十二日(火)曇り。
天気予報では夜半から雪になると言っていたが、気象庁は前々回の予報が外れたトラウマか慎重になり過ぎているように思っている。晴れだろうが雨か雪だろうが、そんなことでジタバタしても仕方がない。お金を払って情報を得ているわけではないのに、グズグズ言うなって感じである。晴れようが、雨だろうが死ぬわけではない。
平日は、朝食が済むと我が家にいるのは私だけである。最近、コーヒーが好きになり、必ず、二三杯は飲む。コーヒーは、一杯づつ入れる「モンカフェ」が好きだ。我が家は日当たりが良いので、コーヒーを飲みながらメールを確認したり、フェイスブックを見たりと、午前中はのんびり過ごす。テレビは十一時半のニュースの時間までONにしない。それまでは大体CDを聞いている。
どんな音楽か・・・?。その日の気分でJAZZから青江三奈までさまざまである。原稿を書いている時は、耳触りの良いMJQの時が多い。高校一年生の夏に、世田谷の環八沿いにあった「タマリバー」というドライブインでアルバイトをしていた。自由が丘で乗り換えて上野毛まで行き、多摩美の前を通ってすぐにその店はあった。
早めに自由が丘に着けば「5スポット」というJAZZのお店で暇を潰した。イソノテルヨの監修と言う店で、地下に降りて行く階段の壁にはミュージシャンの壁画が飾ってあったのを覚えている。そのお店の近くの古書店で林芙美子の全集を買った。お金がなくて、手付金を払って給料日まで待って貰った。高校一年生でなぜ林芙美子だったのか・・・。
「放浪記」「浮雲」といった彼女の代表作になぜか心か惹かれた。多分、親一人子一人という環境ゆえに彼女の「薄幸」に共感したのかもしれない。芸術座で有馬稲子の「浮雲」を見たのも高校生の頃だった。事務所の書棚にあるその本を見るたびに、当時のことを思い出す。
JAZZなんか分からなかったが大人の真似をしてコーヒーを一杯だけの贅沢をした。「5スポット」でしびれたのがMJQの「ジャンゴ」だった。いつ聞いてもミルトジャクソンのビブラフォンの中に、十代の頃の自分を思い出すことがある。それでも十六歳の私にはJAZZは気取り過ぎていて、余所行きの洋服を着ているような気がしてならなかった。
幸いに、十代の感性に合う音楽と出合い、それが当時のヨコハマにハマり過ぎていてすぐに夢中になった。モダン・ホワイト・ブルース。とりわけクリームにはすべての価値観が凝縮しているような気がしてならなかった。ジョン・メイオールと彼のブルースバンド。オーティス・スパン。シカゴ。アルバート・キングetc。右翼のくせにと笑われそうだが、ヨコハマに生まれ育った出自は消せることはできない。
こんなアホなことを書いているのは・・・。当然酔っているからである。ブルースについて書いているのに「黒霧島」を飲んでいる。矛盾と、いい加減と言う服を着て酔っている。今夜も酔狂亭で大破・轟沈。文句あるか・・・。