四月九日(火)晴れ。
日本人はキリスト教徒でもないのにクリスマスに浮かれる。また日本人のほとんどが仏教徒なのに昨日の釈迦の誕生日である灌仏会を祝う人はお寺のお坊さん以外ほとんどいない。
釈迦は、生まれてすぐに七歩歩み、「天上天下唯我独尊」と叫んだところ八大龍王が歓喜のあまり、甘露を降らせて沐浴させたとい故事にならい甘茶でも飲んだらどうだろう。
週刊朝日に私の好きな嵐山光三郎さんの「コンセント抜いたか」というコラムがある。この方の、酒と食べ物とおんなに関する話が好きだ。今週号(四月十九日号)には、「タケノコ生活者のご馳走」と言うテーマで今が旬の筍についての氏のウンチクが書かれている。京都産が一番おいしい事や掘り立てのタケノコの泥を落として、細い鉄棒で節をくりぬき、そこへ醤油と日本酒をつぎこみ、切り口には大根でかたく栓をして、熱灰の中に入れて蒸し焼きにして食べたこと。高杉晋作のタケノコのエピソードなどが書かれていて楽しく読んでいたら、ん、ん・・・。これは以前読んだことがあるぞ。ちょうど事務所に行く用事があったので、書棚の「食」のコーナーを探すとあった、あった。嵐山センセイの「素人包丁記」(講談社・1987年刊)の中の「尺八の煮物」に、週刊朝日に書かれていることとほとんど同じような内容の事が書かれていた。
まっどうでもいいことなんですけれど。私もタケノコは好きで良く調理して食べる。タケノコご飯はもとより、最近凝っているのは、タケノコのから揚げ。茹でたタケノコをやや厚めに切って、醤油、酒、みりんにニンニクを入れて三十分程度漬けておく。水けをきって小麦粉をまぶして熱めの油で揚げる。これが美味しいんだなぁー。
午後から、伊勢佐木町の有隣堂に行き書籍浴。「無音潜航」(池上司著・角川文庫)を買った。その後、ケンタでお茶をしながら原稿の校正。四時に事務所に寄ってから帰宅。夜は、録画しておいた「ツーリスト」を見る。ヴェネチアが舞台となっているその映画で、主役のジューニー・デップとアンジーが泊まったホテル「ダニエリ」は、野村先生のお供でイタリアを巡った際に泊まったのがダニエリだった。懐かしいヴェネチアの景色にも見とれた。