十一月三十日(土)曇り。
特定秘密保護法案を阻止しようと、世を挙げて反対運動が盛り上がっている。マスコミは、この時ばかりと反政府運動を展開している。この法案の是非はともかく、では秘密保護法がない時のデメリットを言う人、マスコミはほとんどいない。これは不公平ではないか。それと国会周辺で反対運動を展開している「市民」という人たち。
デモのシュープレヒコールの指揮を執る人の声が、「反原発」の時の声とまったく同じ人のように聞こえた。もちろん間違っていたならゴメンナサイね。最新の『週刊新潮』(12月12日号)の記事に面白いものがあった。2009年7月29日の朝日新聞の社説を取り上げて「右翼の街宣車が集まり、耳をつんざくような大音量で演説を繰り返す。一種の暴力だ」と。日教組が教研集会を開くたびに繰り返される右翼の街宣活動を批判する一説だが、〈右翼の街宣車〉を〈市民〉に変えるとどうなるか。
夜の八時過ぎに、国会周辺で右翼の街宣車がスピカーを使用して抗議活動を行ったらどうなるか。言わずもがな。即逮捕である。右翼は駄目で「市民」ならいいのか。また、そういった街頭活動を行うのには東京都の公安条例に基づいて許可申請をしなければならない。いわゆる「道路使用許可書」を所轄の警察に提出するのだ。これがない場合は、「無届街宣・デモ」として処罰の対象となる。果たして、「市民」の皆さんたちは、こうした許可を取って、国会周辺で抗議活動を行っているのだろうか。更に、国会周辺では、スピーカーを使用してなどの街頭行動は厳しく制限される。右翼の街宣車ならば、モロパクだ。あっすみません「もろにパクられて(逮捕されて)」しまう。
その昔、嵐山光三郎先生が著書の中で、世の中の「甘いもの」について書いていたが、その中に、「警察による右翼の取り締まり」というものがあって笑わせて貰ったが、今や、甘い、いや大甘なのは、「警察による『市民』の街頭行動の取り締まり」ではないか。しっかりしてねオマワリサン。
てなわけで、今夜も酔狂亭で悲憤慷慨しつつ炎の酒を飲んだ。ちょっとキザか。