62歳男性。先月血糖1678mg/dlで入院した。生理食塩水の点滴とインスリン(ヒューマリンR)持続注入で治療を開始した。300mg/dl以下まで血糖が低下して、ソルデム3A500mlにヒューマリンRを混合した点滴に変更した(さらにヒューマリンR皮下注で補正)。食事摂取できるようになった後はインスリン強化療法にしていた。当院では超速効型はノボラピッドで持効型はランタスを使用している。通常の糖尿病患者さんの教育入院程度の血糖で推移していたが、食前血糖が90mg/dl台まで低下してきた。ノボラピッドが毎食直前6単位とランタス8単位になっていた。抗GAD抗体は陰性で、血中Cペプチドは正常域にあるので、糖毒性が解除できれば経口血糖降下剤で治療できると予想された。これまで入院時に1000mg/dl前後の高血糖だった患者さんの場合は数か月間インスリン強化療法をして、その後徐々に経口血糖降下剤のみに変更していた。今年の糖尿病学会で、入院中の短期間のみインスリン強化療法にして、糖毒性が解除されれば比較的短期間で経口剤に変更するという発表があった。せっかくインスリン注射を覚えたので(血糖自己測定も)、あせってインスリンをやめる必要はないが、以前よりはインスリン使用期間を短くしてみようと思っている。
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