なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血糖と血圧が変動

2012年07月25日 | Weblog

 65歳男性。見た目はもっと老けて見える。アルコール性肝硬変・糖尿病・高血圧症で消化器科の外来に通院していた。一人暮らしで、時々隣家の人が様子を見に行っていた。しばらく姿が見えないと見に行くらしい。先週の祝日(16日)に隣家の人が見に行って自宅で倒れているのを発見して救急車を要請した。搬入時昏睡まではいってないが、うなってモゴモゴとしゃべろうとしていた。血糖は40mg/dlだった。グルコースの静注で意識は戻ったが、アマリールによる遷延性低血糖の可能性があり、経過をみるために入院にした。治療はランタスを1日1回皮下注とジャヌビア50mg/日とアマリール2mg/日だった。入院後2日間は何も使わないで血糖が低めで推移した。3日前から血糖が上がってきたので、ランタス注とジャヌビア内服を再開して、それで血糖コントロールがつけば良かったが、結局アマリールも併用して0.5mg/日から1mg/日とした。主治医によれば、そもそもきちんとインスリン注射をしているか、また経口剤を内服しているかどうか、わからないという。できるだけ、手間のかからない(患者さんがなんとかできそうな)治療にして、きびしく血糖を下げない方針になっていた。ただし、あまり緩めるとHbA1cが10%以上になってしまうので、ある程度(HbA1c7%くらい)は下げておきたかったそうだ。

 血圧も入院後190くらいに上がり、処方されていたARBにCa拮抗薬(コニール4mg)を追加したら、急に血圧80~90と下がってしまった。やめるとまた高値になり、コニール2mg/日とした。血糖の変動が大きいのは肝硬変であることにもよるが、血圧の変動が大きいのは糖尿病からの自律神経障害によると思われる。血圧と血糖をそこそこ許容範囲におさめて退院とした。

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