なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

偽痛風のためか

2012年07月02日 | Weblog

 85歳男性。内科医院に慢性C型肝炎とは慢性閉塞性肺疾患で通院していた。食欲低下が続いて、その内科医院からの紹介で受診した。酸素分圧は62mmHg(室内気)でぎりぎりのところ。息切れはそれほど変わらないという。10年前に禁煙したが、50年以上の喫煙歴があり、胸部CTで気腫性変化があるが、肺炎はなかった。腹部CTで明らかな進行癌はなかった。慢性C型f肝炎は肝硬変には至っていないようだ。ASTとALTの軽度には上昇しているが、安定している。おそらく、C型肝炎はこの人の寿命には影響しないだろう。

 食欲低下以外の主訴は、2週間前から後頸部痛が続いていることだった。発熱はなかったらしい。痛みで少ししか首を横に振れなかった。前後には横よりは振れた。炎症反応は軽度上昇している。意識は清明で、神経症状はない。頸部CTで環軸椎関節の歯突起周囲に石灰化があり、頸椎偽痛風だった。いわゆるCrowned dens syndrome。食欲低下して寝込んだ原因として、偽痛風のみでよいかどうかはわからないが、まずはその治療で経過をみることにする。老妻と二人暮らしで家庭での介護力もないので、入院とした。

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