今日は内科開業医から高齢女性の紹介が2件あった。入院患者が増えて、入院ベットをさがすのが大変になっている。病棟の看護師も大忙しで、ベット稼働率が上がって喜んでいるのは院長と事務長だけかもしれない。いつもにも増して、ミスが出ないように注意が必要だ。
80歳女性は気管支喘息発作が続いていた。もともと心不全もあるが、心不全の悪化ではなかった。治療は気管支拡張剤の内服で吸入ステロイドは使われてなかった。軽度の認知症があり、自分で定期のステロイド吸入薬を使えるかどうかはわからないが、喘鳴がとれた後にエアゾルタイプを試してみることにした。まずは気管支拡張剤の吸入とステロイドの点滴静注を数日継続する。
86歳女性は、ふだん糖尿病でインスリン注射をしている。やはり軽度の認知症があり、注射は家族がしている。昨日から嘔吐が続いて食事摂取できなくなって、救急搬入された。便秘があって直腸に便が充満していた。また、膀胱内に尿が貯留していたが、尿意がない。尿カテーテルを挿入すると、1000ml排出した。神経因性膀胱(無力性膀胱)なのだろう。検査してみたが、これといって異常はない。かなりの肥満があり、大腿骨頸部骨折で手術を受けたが、同じ部位を再度骨折して、整形外科でも処置のしようがなく、そのまま放置となっていた。介助で車いすの生活だが、なにしろかなりの体重で、介助者ひとりでは動かせない。入院で経過を見ることにしたが、便秘を改善させて、尿カテーテル留置を継続する方針とした。