なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

癌終末期でも急変?

2012年07月11日 | Weblog

 88歳女性。1年前に健診で胸部異常影を指摘されて、呼吸器科のある基幹病院で肺癌と診断された。高齢で認知症もあるので、特に治療は行わずに(実際にはできない)経過観察となった。9か月が経過して食欲低下したため入院となった。点滴しているうちにある程度食事摂取できるようになった。退院して外来になるが、認知症の介護も大変ということで、家族は入院継続を希望した。そこで後方支援病院(下請け病院)として定評のある(頼みやすいということ)当院に転院した。食事量は少ないが、点滴もしながら、オピオイド(最終的にフェントステープ4mg使用)とステロイド(デカドロン)を使用して経過をみていた。3か月が経過して、病棟のカンファランスでは、「予想よりも頑張っている。まだ行けそうだね」と話していた。ところが朝食を少し食べて2時間後に心肺停止した。深夜の病棟看護師の話では少し顔色が悪い気がした(酸素飽和度は変わりなし)という。もともと悪化時はDNRの方針のため、心肺蘇生はしなかった。痰が詰まったようではなく、肺癌は進行してきて胸水も貯留しているが、寝たきり状態にあったことから肺梗塞を併発したのかもしれない。血圧が低下したり、酸素飽和度が低下し始めた時にタイミングよく家族を呼ぶはずだったが、急な幕切れとなってしまって申し訳なかった。

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