昨日(祝日)の日直で、66歳女性が当番医から紹介されてきた。全身が痛いということだった。発症はその前日からで、微熱・嘔気もあった。筋原性酵素が上昇していた。炎症反応は白血球数正常域でCRP1.4と若干の上昇だった。
脂質異常症で別の医院からスタチンが処方されている。スタチンの副作用の可能性があるが、ここまでひどいのは経験がなかった。CK-MBの若干上昇しているが、心臓由来の症状はなく、心電図・胸部X線・胸部CTで明らかな異常はなかった。バイタルは安定している。入院して経過をみることを勧めたが、その日は家庭の事情でそうしても帰るという(心筋炎の話もした)。夜間悪化した時はすぐ受診して、変わりなくても翌日外来受診することにした。
その日の夜に倦怠感が強くなったと再受診して、結局入院となった。補液で経過をみることにした。今日再検したが、筋原性酵素はもっと上昇していた。CRPは1.0で血沈は30mm台だった。前日からスタチンは中止している。
発症が急なので、多発性筋炎ではないと思われたが、抗核抗体・抗ARS抗体を提出した。数日気持ち悪い思いをしながら、経過をみることになりそうだ。ステロイドの投与は可否はどうなのだろう。