72歳女性が昨年末からの下肢のむくみで内科新患(外部の先生担当)を受診した。労作時の息切もあった。新患担当の先生から、連絡がきたので、コンピュータ画面で画像を確認した。BNPが高値で心不全と思われるということだった。
3年前にたまたま受診した時の胸部X線の画像が残っていて、その時は異常がない。今日の胸部X線では心拡大があった。明らかな肺うっ血・水腫・胸水は指摘できない。心電図をみると、洞調律でそれほどの異常はなかった(後で見ると右房負荷・右室肥大傾向ととれなくもない)。
ちょうど循環器科医がいて、かなりひどいうっ血性心不全の患者さん(91歳女性、初診)が内科医医院から紹介されてきていて、心血管センターのある病院に搬送するところだった。少し待っていれば心エコーで診ますということだった(現在はひとり循環器科状態)。
室内気で酸素飽和度が80%後半くらいだった。酸素吸入を開始した。聴診すると、ⅳ音が聴取されるが、心雑音はわからなかった(心エコではMRもあった)。両下肺野にcoarse cracklesが少し聴こえた。心不全の原因はなんだろうと考えながら問診すると、若い時から喫煙しているという。現役のスモーカーだった。肺性心が疑われた。
胸部CTでは気腫性変化はそれほど目立たなかった。肺うっ血・水腫・胸水はない。心エコーをいっしょに見せてもらうと、素人目にも明らかな右室の拡大があり、教科書的なD型の左室が描出された。慢性閉塞性肺疾患・肺性心・肺高血圧症だろうと言う。
付き添いの夫にもお話して、入院で診ますといわれた。その後、病室で逢うと、帰っちゃいましたという。患者さんは入院拒否だった。専門病院での精査も行く気はないと言っていたそうだ。喫煙も努力しますと答えたそうで、やめる気はないようだ。やむなく利尿薬とサムスカ少量を2日分出して、明後日外来予約にしていた。