なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺炎球菌肺炎+気管支拡張症

2017年01月16日 | Weblog

 月曜日の内科再来はなるべく少ない人数にしているが、今日は年末年始の分が加わって、人数が多かった。昨日は日直の後に、(内科当番なので)病院に泊まっていたが、幸いに内科系の入院はなかった。

 先週の金曜日に内科クリニックから90歳女性が肺炎で紹介されてきた。3日前から食欲が低下して、その日は38℃の発熱があった。咳・痰は少しだけだった。2年前に当院神経内科外来を受診して、認知症の処方を受けているが、症状が変わりないので中断していた。

 その場での会話は問題なかったが、入院すると夜間せん妄が危惧された。白血球数23000、CRP27となかなかの高値だった。胸部X線で右上葉にクリニックで指摘された浸潤影があるが、その他にも斑状影があり、特に右下肺野が汚い。

 胸部CTで確認すると、気管支拡張症があった。これまで肺炎で入院した既往はない。よく無事で過ごしていたものだ。両側肺野に斑状影があった。尿中肺炎球菌莢膜抗原が陽性だった。肺炎球菌ワクチンは受けていない。今日受診時の喀痰培養の結果が出たが、きっと唾液だけで菌は出ないかと思っていたが、肺炎球菌が単独で検出されていた。感受性は良好(PSSP)。

 治療はセフトリアキソンとレボフロキサシン併用にしていた。入院後は解熱傾向で微熱になっていた。食欲はまだあまりないようだ。入院後特に問題行動はない。血液検査も改善していた。2-3日受診が遅れると、きっと一気に重症になったのだろう。治ったら、肺炎球菌ワクチンをしよう。

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