なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

変な肺炎

2017年11月15日 | Weblog

 内科の若い先生から相談された肺炎の症例。患者さんは62歳男性で、先月末に肺炎で入院して約1週間セフェム系の抗菌薬を投与して治癒退院している。退院後1週間しないうちに、また咳・痰・発熱が出現して、肺炎で再入院した。

 最初の入院の時は、胸部CTで両側肺、特に左下葉に斑状影が散在していた。再入院の時には日直医が胸部X線だけ撮影していて、陰影がはっきりしないが、症状と炎症反応上昇で肺炎再燃として入院になっている(診断的にはこの時のCTがほしかった)。

 また同じ抗菌薬を1週間投与して、症状は軽快して、炎症反応も改善した。なぜすぐに再発再燃したかは不明だが、まず治っているのでよしとしたいところだ。ところが、途中からまた発熱が続いた。炎症反応も途中から上昇してしまった。薬剤熱を考慮して抗菌薬と中止したそうだ。

 胸部X線・CTを再検すると、両側肺の胸膜下の陰影が複数個所にあった。これはいったいどうなっているのだろうか。感染性は入院していったん軽快した直後で考えにくい。非感染性の病変を考えたくなるが、前回入院と今回入院(の当初)は抗菌薬にちゃんと反応している。

 陰影が胸膜下の複数か所に出現しているのも分布として変だ。最初は感染性で途中から非感染性(器質化肺炎)になったというのはあるのだろうか。応用問題になるので、呼吸器内科のある病院へ紹介した方がよさそうだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする