C型肝硬変で通院している88歳女性が、2~3週間前から浮腫が悪化して、咳・喘鳴もあると受診した。確かに両下肢が浮腫でふだんより大分太くなっている。胸部X線・CTで肺うっ血がある(胸水はごく軽度で腹水はない)。
肝硬変によるかというと、腹水がないので違うようだ。心拡大はあるが、EF64%と良好だった。ASの雑音が聴取されるが、エコーではOpeningは保たれていた。3月から心電図で左脚ブロックを呈しているが、asynergyはないとある。血清クレアチニンは1.5~2.0で推移しているが、悪化はなかった。甲状腺ホルモンも正常域。
血小板減少(10万)と貧血Hb8~9g/dlがあり、今日はHb6.6g/dlと低下している。タール便はなく、BUNの有意な上昇もなかった。希釈された影響もある?。何による浮腫の悪化ともいいきれないが、消化管出血(今々ではなく)があって貧血が加わって、全体的に悪化したのだろうか。
利尿薬はもともと下肢の浮腫があり、ダイアート30mgのみ処方していた(血清Kが上限値)。今日(今)は喘鳴は聴取されず、酸素飽和度は室内気で97%ある。食欲良好で難聴があるが、元気によくしゃべる。利尿薬を内服で追加して経過をみることにした。スピロノラクトンとサムスカ少量を追加して、血清Na・Kと胸部X線を再検とした。
CTで肝右葉に腫瘤像がある。造影はできないので、来週腹部エコーをしてMRIも考慮することにした。