2週間前に消化器病センターのある病院に救急搬送した89歳女性が今日転院してきた。意識障害・血圧低下(60mmHg)で救急搬入されて、検査の結果は総胆管結石・急性閉塞性化膿性胆管炎・敗血症症ショックだった。一番近い基幹病院はベットがなく、そちらの病院に依頼したが、やはりベットがないので救急のベット(外来扱い)で診ますということだった。申し訳ない思いで搬送させてもらった。
すぐに内視鏡的胆道ドレナージが行われていた。胆管ステントを挿入したが、流出が悪いので経鼻胆道ドレナージ(ENBD)が追加されていた。その後内視鏡的に総胆管結石2個が摘出された(専門的な2種類の器具名が記載されている)。血液培養でESBL産生菌が検出されて、抗菌薬はゾシンからメロペネムに変更されていた(菌血症なので2週間投与)。
年齢の割に認知症もなく、口の達者な方だったが、さすがに2週間の治療で足腰は弱ってしまった。息子夫婦・孫と同居しているが、日中は一人になるので、トイレまで歩けるようにしてほしいという家族の希望だった。こういう、さもない入院は当院は得意としている(?)ので、昨日主治医から連絡がきて、今日すぐに引き取った。
それにしても、よくあのショックの状態から治したものだと感心する。夕方午後5時に当院から搬送したので、高速道路を救急車で行って1時間後に到着する。それから内視鏡処置をしている。当院でできるのは、治ったらすぐに引き取ってベットを有効に活用してもらうことくらいだ。
家族のこともずけすけと話をする患者さんで(オレの年金を使っているんだ、など)、看護師さんが面白がっていた。今回初めて介護保険を申請するので1~2か月の入院になりそうだ。