月曜日に地域の基幹病院呼吸器内科の先生から連絡が来た。88歳男性のCOPD終末期の患者さんを入院させてほしいという依頼だった。家族に厳しい見込みであることは説明してあるから、と言っていた。ベット事情が厳しいのはわかっているので、引き受けることにした。
在宅酸素療法を受けているが、自宅ではなく施設に入所していた。10年以上前からCOPDで通院しているそうだ。前の週に外来で呼吸困難を訴えたので、医療用麻薬が外来で開始されたが、嘔気・嘔吐で食事摂取できなくなっていた(嚥下障害もある)。普通その状況では入院になるが、退院のあてのない入院になるので避けたのだろう。
胸部X線は撮影できたが、CTは長く横臥できないので撮影できなかった。炎症反応の上昇があり、左肺に肺炎がありそうだ。抗菌薬(せフトリアキソン)とステロイド(デカドロン注)で治療を開始した。喘息の要素があるようで、ステロイドに反応した。
酸素飽和度は90%前後で維持することにした。家族と相談して、病状悪化時はDNR(人工呼吸はしない)にした。入院した当初は呼吸困難で「殺してくれ~」と言っていたが、その後は言わなくなった。家族に呼吸困難でどうしようもない時は、塩酸モルヒネ持続点滴も使用するかもしれないと説明した(開始したとたんに呼吸停止するかもしれないので使いたくはないが)。どのくらいもつのだろうか。(CTは昨年の送られてきた昨年の画像)
「呼吸苦」は正式な名称ではなく、「呼吸困難」と表現するのが正しいが、個人的には「呼吸苦」が好きだ。