なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

食道癌

2017年11月14日 | Weblog

 地域の基幹病院腫瘍内科がら食道癌の74歳男性が紹介されてきた。先週腫瘍内科の先生からご無沙汰してますと電話が来ていた。紹介したい患者さんがいて、いつ受診させたらいいかと訊かれたので今日にしてもらっていた。

 5年前に内科クリニックで食道癌が疑われて、がんセンターに紹介になった。診断確定したが、治療については大学病院外科に紹介になった。手術を勧められたが手術を拒否して、ESDが行われた。SM癌だった。

 その後食道自体の再発と縦隔リンパ節転移が一塊となって出現した。放射線化学療法を勧められたが、化学療法は拒否して放射線療法のみ受けた。幸い効果はあった。

 その後肺転移が出現した。地域の基幹病院でも放射線治療を開始したので、そこで放射線治療を受けた。一時的に効果があったが、その後再増大して治療は中止となった。緩和ケア病棟(専従医もおられる)も持っているので、終末期はそこで診ることも提案されたが、一番近い当院を希望したそうだ。当院は腫瘍内科医も緩和ケア医もいないが、一般内科でいいんですかと言ったが、まあ診てもらえればいいらしい。

 胸部X線で左胸水と右肺の転移巣を認めるが、先月のX線とそれほど変わらないようだ。まだまだ元気で入院する気もない。しばらくは外来で経過をみて、病状が悪化した時に入院にすることにした。

 

 「70歳を過ぎて生きる必要はありません、覚悟はできています」と言うが、案外悪化した時には慌てふためくかもしれない。現在一人暮らしで、妻は息子さんと東京に住んでいるという。今日はひとりで受診した。これまでも全部ひとりで決めてきたらしい。ちょっと性格的に癖のある方と思われた。家族との関係は詳しく訊かなかったが、最悪病院に来ないこともあるかもしれない。延命処置は必要ありませんというので、DNRの書類に自分でサインしてもらった。

 

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