金曜日の昼に医局のラウンジでお弁当(病院に入っている業者の)を食べていた。「ひるおび!」を見ていたが、最近は新型コロナウイルス感染症の話ばかりだった。
救急当番の外科医から、「貧血の患者さんが紹介されてきたけど、白血球が37万と報告が来て、結果が全部出たら相談したい」と言われた。
老人保健施設から82歳女性が紹介されてきていた。連絡では貧血とのみ言われて引き受けたらしい。後で診療情報提供書が来て、施設で行った血液検査の結果が記載されていた。
Hb4.3万で確かに貧血だが、白血球数38万・芽球97%とある(血小板数5.1万)。もうそれだけで急性白血病確定だ。紹介目的には、入院加療のお願い(貧血、白血病疑い)とあった。
バイタルは保っているが、当院の血液検査でも同様の末梢血像で、Dダイマー28.2とあり、DICに相当する。1年前に一過性意識低下で循環器科に入院していた。その時の末梢血ではHb10g/dlで軽度の貧血はあるが、白血球数・血小板数は正常域だった。CMLの急性転化ではなく、急性白血病そのものだった。
これは即、血液内科に紹介するしかない。まずはがんセンターの血液内科に連絡して、受け入れできない時は、医療センターの血液内科に連絡してもらうよう伝えた。幸いにがんセンターで引き受けてもらえて、搬送となった。
紹介自体も内科で対応すべきだったかもしれないが、新型コロナウイルス感染症関連の通達・マニュアル作成をするので忙しく、お願いしてしまった。感染管理ナースが何度も来る日だった。
施設の嘱託医は昭和30年代の卒業なので、年齢は80歳代後半になる(大学病院にいた時にちょっとかかわった先生)。当院で白血病の治療ができると思ったのだろうか。施設としては、とりあえず病院に紹介すればいいという判断なのだろう。