1月10日から14日まで70歳男性が発熱・背部痛で入院していた。内科の若い先生(専攻医)が金曜日の当直の時に入院させて、三連休だったので、連休明けの火曜日に相談された。
大動脈瘤(大動脈弓部の鎖骨下動脈分岐のすぐ下)を認め、入院時に提出した血液培養2セットからMRSA(CA-MRSA)が検出されていた。感染性動脈瘤として心臓血管センターのある専門病院に救急搬送した。
退院後の先々週に当院の外来に戻されていて、内科新患を診ていた内科の若い先生(別の専攻医)が対応した。
診療情報提供書によると、大動脈瘤切迫破裂が疑われて、緊急でステントグラフト内挿術が施行された。抗菌薬はバンコマイシンが継続されていた。患者さんの退院希望もあり、血液培養陰性後約2週間くらいの投与でバンコマイシンは中止になった。退院時は抗菌薬内服が処方されていた。
内服薬はCEX(ケフレックス)だった。若い先生もこれでいいのかと思ったそうだが、後で相談するつもりで、とりあえず継続としていた(ふだんはすぐ相談してくるので、忙しかった?)。
その日の午後に画面上で受診者のチェックをしていて、この患者さんが外来受診していたのに気付いた。翌日呼吸器外来に来ていた先生(大学病院感染症科の所属)に相談した。
これはまずいでしょうということで、患者さんを呼び出して、抗菌薬を変更してもらった。選択された抗菌薬は、培養結果で感受性ありのST合剤とRFP(リファンピシン)併用だった。
通院している糖尿病外来と呼吸器外来が同じ曜日なので、併診で経過みてもらえることになった。それにしても、なぜケフレックス。感染管理で大学病院から月1回来てもらっている先生は、そちらの病院にも行っているので、報告しておいた。