金曜日に救急当番の外科医から連絡が来た。「84歳男性が1か月前からの肩と下肢の痛みがあり、動くのがひどくなって救急搬入された。炎症反応の上昇があるが、肺炎や尿路感染症などはないようだ。」ということだった。
これはリウマチ性多発筋痛症(PMR)らしい。外科の先生方も、内科で「リウマチ何とか」という病気を診ていることを知っている。
すでに救急室から処置室のベットに移っていた。1か月前に雪かきをしてから、という患者さんの解釈だった。両側の大腿部痛が出現して、その後に両肩・両上肢近位の痛みも出てきた。奥さんの話では、医者嫌いで針灸院に行っていたそうだ。食欲が低下してやせたが、体重は測定していない。
起き上がりがひどく、勢いをつけて起き上がっていた。立位になれるが、しゃがんで立つことはできない。両腕も水平になるくらいまでしか上げられない。両側上腕近位から肩にかけて把握痛がある。両大腿部の把握痛ははっきりしなかった。
心尖部に心雑音があった。だいぶ前に受診したクリニックでも指摘されて、心エコー検査を受けた記憶があるそうだ。敗血症性の血栓塞栓はなかった。血液培養を2セット提出して、心エコーを行ったが、有意な弁膜症と疣贅はなかった。
白血球7900・CRP14.2で、37.4℃の微熱がある。CKは正常域だった。血沈は提出されていなかったので、次回の採血時にリウマチ検査といしょに出すことにした。
リウマチ性多発筋痛症として、プレドニン10mg/日とちょっと少な目で開始した。