火曜日に神奈川県の病院から87歳女性が転院してきた。はるばると介護タクシーでの移動で、いったいいくらかかるのだろうと(おいくら万円?)、病棟看護師さんと話していた。
一人暮らしをしていたが、認知症が進行して、当地在住の息子さん(甥が養子になった)が引き取る予定になっていたそうだ。その矢先1月下旬に自宅で転倒して、頭部打撲・頭部切傷で入院してしまった。
処置は大したことがなかったが、センサーマットを使用していたと看護情報に記載があった。動く気はあるが、足がついていかないので転倒してしまう。転院後もベット下に落ちてしまい、センサーマットでは間に合わないので、緩い体幹抑制が付いてしまった。
リハビリ目的だが、介助で起立がやっとで、リハビリをしても実際の移動は車いすになる見込みだ。狭義のリハビリは歩行訓練であり、その対象にはならない。
息子さんの奥さん(嫁)から、ここにはどのくらいいられるんですかと言われた。市内の療養型病床のある病院の名前を出して、転院できるかという。一部介助で食事はとれて、車いす移動可能となると療養型病床ではとってくれないので施設入所を目指すことになる。要するに在宅介護はない、ということだった。
この方は胸部X線で両側肺(特に右肺)に空洞性病変があった。前医の喀痰検査では、喀痰抗酸菌塗抹陽性・結核菌PCR陰性・MACのPCR陽性(M.avium)とあった。画像を見ると、線維空洞型(混合型?)で予後が悪い病態だった。陳旧性肺結核病変に合併したのだろうか。
こちらでも喀痰検査をしたいが、喀痰が出ない。炎症反応はまったく陰性。大学病院から呼吸器外来に来ている先生が抗酸菌に詳しいので相談することにした。
紹介先の病院のホームページを見ると、紹介した先生のにこやかな顔写真が載っていた。リハビリ病院や施設も運営する医療機関だった。