なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

MSA-C

2020年02月14日 | Weblog

 月曜日から木曜日まで71歳女性が初めてのレスパイト入院をしていた。2014年から大学病院脳神経内科に、多系統委縮症(MSA-C)で通院している。2016年から当院で週1回リハビリを行っていた。(MSA-C:multiple system atrophy with predominant cerebellar ataxia)

 数年前(10年くらい前?)に多系統委縮症という病名を聞いた時は、何だかわからなかった。オリーブ橋小脳委縮症という病名で習った世代で、とうてい神経内科は無理だと自覚させられる分野だった。

 多系統委縮症は、脊髄小脳変性症のうちの孤発性(遺伝しない)の疾患で、小脳症状が目立つMSA-Cと、パーキンソニズムが目立つMSA-Pがある。(MSA-P:multiple system atrophy with predominant parkinsonism) いずれも自律神経症状を伴うので、Shy-Drager症候群という概念は欧米ではなくなったそうだ(日本ではまだある?)。

 小脳失調があり、個室内のトイレに行くにも看護師さん2人の介助が必要だった。廃用性筋委縮もあり、痩せている。今回は介護している夫が確定申告をする関係でのレスパイト入院だった。

 大学病院の処方は、TRH誘導体タルチレリン(セレジスト)とドロキシドパ(ドプス)。食事は嚥下調整食4(全粥刻み食トロミ付き)を摂食できている。病状が進めば、誤嚥性肺炎で入院したり、嚥下障害で内視鏡的胃瘻造設を依頼されることがあるかもしれない。

 話し方は断綴性言語scanning speechで、とぎれとぎれであり、それに声の大きさ・高さも変化する。これがそうかと思いながら会話していた。お話好きで笑顔で話してくれる。

 

 

 

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