木曜日と金曜日に、また新型コロナウイルス感染症の患者さんが入院した。
木曜日入院した64歳女性は農家の方だった。夫と息子の3人家族で、他の2人はPCR陰性だった。感染経路不明になる。12月15日に発熱して、12月23日に地元の町立病院でPCR検査を受けて24日陽性と判明した。その病院でPCR検査をしているのは知らなかった。おそらく唾液でのPCRと思われた。
入院してきた時点で発症10日目になる。発熱が続いているというので、肺炎は間違いなくあるだろうと思った。来院して胸部CTを行うと、右肺下肺野背側にすりガラス陰影を認めた。放射線室でCT画像を見た時は、デキサメサゾンを使用するつもりだった。
患者さんは意外に元気で、酸素飽和度97~98%(室内気)だった。血液検査では白血球5900・CRP2.3と予想より炎症反応は低かった。体温は前日が38℃でその日は37℃前半に下がって来ていた。
翌日まで経過をみて、薬剤使用を考慮することした。今のところ、中等症Ⅰ相当として、そのままデキサメサゾンを使用しないで経過をみている。
金曜日に入院した68歳女性は、月曜日に入院した35歳女性がバイトをしている居酒屋のお客だった(常連なのですぐに連絡がいったそうだ)。濃厚接触者として前日の木曜日にPCR検査を受けて陽性と判明した。すでに水曜日から発熱(微熱)があり、咳も出ていた。(バイトの女性は、店内ではマスクはしていなかったと言っていた)
65歳以上で糖尿病で通院していたので、保健所ですぐに入院してきた。糖尿病の処方はDPP4阻害薬・α-GI・メトホルミンでHbA1c7.2%程度らしい。入院中の血糖測定はしなくてもよさそうだ。
胸部CTで右肺下葉背側にすりガラス様陰影を認めた。白血球4900・CRP2.9と軽度の炎症反応がある。酸素飽和度97~98%(室内気)。高熱が続いているわけではないので、このまま経過をみるが、順調の治るかどうかは、1週間経過してみないとわからない。
胸部CTのすりガラス陰影は、辺縁がぼさぼさした感じがするのと、水平断でみるとこんもりと盛り上がったような形をしているのが特徴のようだ。
県庁所在地で発生した患者さんも入院させられないかと、打診が院長に入ったそうだ。ベットがいっぱいではなく、各病院が届け出ている数に達していなくても、人手の問題で断るからだろう。
当地域は当院と基幹病院しかコロナの入院施設がない。基幹病院は救急搬入が多く、実際はコロナにはできるだけ対応したくない方針になっている。当地域を管轄する保健所は当院頼みなので、他の地域の患者を引き受けて、当地域の患者を受けられなくなるのを危惧している。