糖尿病で外来通院している80歳女性が、今月始めに受診した時に、排尿時痛と吸気時の胸痛を訴えた。発熱はなかった。
白血球12500・CRP9.8と炎症反応が上昇してた。尿混濁があり、胸部X線で左肺中肺野に浸潤影を認めた。尿路感染症+肺炎として入院を勧めたが、自宅に介護する夫がいるのでできないという。
外来でレボフロキサシン内服で治療したところ、排尿痛は消失して、胸痛も軽減した。白血球7400・CRP1.2と炎症反応は軽快していた。尿培養ではKlebsiella pneumoniaeが検出された。喀痰は出なくて培養できなかった。
側方に広がる浸潤影が軽快したようではあるが、左肺門部が腫瘤様に見える。胸部CTで確認することにした。
炎症像でいいのか、腫瘤があるのか、わからなくなった。炎症反応が軽快したという点では肺炎でいいのか。最初に受診した時に胸部CTを確認しておけば、比較ができてよかったのかもしれない。
地域の基幹病院呼吸器内科に紹介して、診てもらうことにした。放射線科の読影レポートは肺膿瘍疑いになっていた。炎症が遷延しているだけなのか。最初から発熱がなかったのはどういうことなのか。