なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

入院優先度判断スコア

2020年12月13日 | Weblog

 木曜日に県内の新型コロナウイルス感染症対策主要病院長会議がwebであった。院長先生は不在で(逃げた?)、代わりの先生も都合が悪く(逃げた?)、参加するようにいわれた。

 もっとも一番患者数が多い県庁所在地の患者をどうするかという話で、当院のような郡部のことはあまり対象にはなっていない。特に発言を求められることもないので、1時間ちょっと事務で用意したコンピュータの前にすわっていただけだった。

 基本的には、軽症者は入院ではなくホテル療養になる。またこれまでは、ホテル療養になる前に重症度判定のために病院の外来を受診することになっていたが、これがさばけないために自宅待機を要した。

 今後は外来受診なしで、スコアを使ってホテル療養か入院かを判定することになる。そしてホテル入所者が急変した際の受け入れ病院を、当番制で決めるそうだ。(当院は対象にならない)

 入院を決めるスコアは神奈川県で作成したものを使用する。神奈川県で内容を変更すれば、それに合わせて変更になるそうだ。県独自に作成するのが面倒なのか、すでに神奈川県で使用して有効なので採用したのか、まあ両者なのだろう。

 

 これまでは、高齢者は原則として入院で、高齢者以外は症状があれば入院だった。高齢者でも無症状の方たちもいた(接触者検査でPCR陽性)。また軽症者では発熱は1~2日で治まるので、その後は咳や嗅覚・味覚障害が続くが、入院するほどの必要はなかった。

 入院患者さんは全例入院時に胸部CTを撮影してきた。ごく軽度~軽度の肺炎を思いがけず認めることがあった。通常の風邪の原因となるもともとの新型ではないコロナウイルス感染症(1~4番目までの)でも同じなのか、新型コロナだけなのか。

 

入院優先度判断スコア

共通化した基準で入院の優先度を判定する目安としてスコア活用

下記にない項目(CT等)は0点とする

判断項目 スコア
75歳以上 3
65から74歳 2
ハイリスク因子1項目あたり 1から2
透析 6
37週以降妊婦 6
CT/単純X線にて肺炎像(片側かつ2分の1以下) 3
CT/単純X線にて肺炎像(片側かつ2分の1以上) 6
CT/単純X線にて肺炎像(両側) 6
酸素投与必要 5
重症感 1
無症状 -1

ハイリスク因子1項目あたり

基礎疾患 スコア
糖尿病 2
慢性呼吸器疾患(気管支喘息含む) 2
重度の心血管疾患冠動脈疾患、心筋症など心不全伴う 2
コントロール不良高血圧 1
高度慢性腎臓病(GFRが30未満が目安) 1
肥満(≧BMI30) 1
免疫抑制剤使用(ステロイド含む抑制剤) 2
悪性腫瘍に罹患し治療中 2
血液移植・骨髄移植、原発性免疫不全、HIV 2
臓器移植後 1

患者急増期において合計5点以上が入院の目安

コメント
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