昨日、新型コロナウイルス感染症の94歳女性が感染病棟に入院した。元気だったが、認知症のため問診は現在の症状を訊くだけだった。
10月に隣の市の特別養護老人ホームに入所していた。病歴としては、アルツハイマー型認知症・右大腿骨転子部骨折術後・うっ血性心不全とあった。
11月17日にその施設の介護員が新型コロナのPCR検査陽性と判明した。詳しい経緯は不明だが、その市内の施設でクラスターが発生していて、それに関連しているようだ。
患者さんは11月19日新型コロナのPCR検査陰性で経過をみていた。11月22日に咳嗽がみられたが、その後軽快している。11月25日から37℃台の発熱があり、11月28日に施設内で隔離された。同日PCR検査を行って、29日(日)に陽性と判明した。
入院時に胸部CTを行って、左肺下葉背側の胸膜直下にすりガラス影を認めて、それ以外にも両側肺の胸膜直下に軽度の陰影がある。白血球7700・CRP5.1と新型コロナにしてはCRPが高めにだった。
発熱はなく、咳もなかった。食欲は普通としていいようだ。酸素飽和度が97~98%(室内気)で低下していない。
11月22日が発症日とすると、入院した11月30日で9日目になる。この肺炎は悪化するかどうかの判断になる。おそらく発熱したころがピークで、治まってきているものと思われた。ステロイドは投与しないで経過をみていいのだろう。
今日(12月1日)も発熱はなく、酸素飽和度99%(室内気)だった。今週いっぱい経過をみて、来週には退院できそうだ。