火曜日に施設嘱託医をしている内科クリニックから82歳男性が肺炎疑いで救急搬入された。右肺炎・胸水貯留を認めて、救急当番の腎臓内科医から内科の若い先生に入院依頼された。
パーキンソン病の既往があり、2年前にも肺炎で入院して、当時いた内科の若い先生が担当していた。吸引で喀痰培養を提出して、スルバシリン(ABPC/SBT)で治療を開始した。
細菌検査室から、喀痰塗抹で抗酸菌がいるので抗酸菌検査(検査オーダー)も提出して下さい、と連絡がきた。抗酸菌もグラム染色でうっすら見えて、すでに抗酸菌塗抹検査を開始していた。その後、ガフキー2号ですと報告がきた。
右肺尖部に複数の小空洞、というより気管支拡張を伴う病変を認めていて、2年前の入院時より少し陰影が増加していた。全体が肺結核・結核性胸膜炎か、結核or非結核性抗酸菌症(NTM)and通常の(誤嚥性)肺炎と随伴性胸水、ということになった。
PCR検査と培養検査を提出して、個室隔離としていた。PCR検査の結果は結核菌のPCR陰性・Mycobacterium aviumのPCR陽性だった。塗抹で抗酸菌が見える良質な喀痰の検査結果なので、追加検査はしない。個室隔離を解除して、通常の肺炎の治療を継続となった。
呼吸器科外来に来ている先生に診てもらったが、NTMの陰影といわれた。見る人が見ればという結果だが、ここは慎重に対応しておきたい。
入院後に酸素化は改善して、酸素吸入は中止となった。経過良好だった。M.aviumは経過観察になる。