なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

新型コロナウイルス感染の経緯

2020年12月06日 | Weblog

 木曜日に新型コロナウイルス感染症で感染病棟に入院した83歳女性は、孫からうつったものだった。

 当市の隣町でひとり暮らしをしていていた。施設の介護士をしている孫が、11月16日から20日まで通って世話をしていた。その孫の勤務している施設(隣の市内にある私立病院の系列)でコロナのクラスターが発生して、複数の介護者と入所者が感染していた。

 孫が接触者検査としてPCR検査を受けて陽性となった。その孫の濃厚接触者として患者さんがPCR検査を受けたが、陰性だった。もっとも保健所では、濃厚接触者のPCR検査をすぐに行うので、かかっていても陰性になってしまう。(潜伏期を考慮していない)

 11月27日に発熱(37℃台)があったが、いったん治まったので、そのまま経過をみていたそうだ。12月2日に発熱(37℃台)と頭痛があり、その日の午後に当院でPCRの再検査となった。翌12月3日にPCR陽性となって、当院に入院依頼が来たという経緯だった。

 

 その孫の姉は産婦人科医院の職員で、介護士の妹とアパートで同居している。その姉も、妹の濃厚接触者としてPCR検査を受けて陽性と判明した。姉妹は無症状で、ホテル療養となった。

 その姉はPCR陽性となる数日前に、同じ医院の職員といっしょに当院健診センターで健診を受けていた。対応した当院の職員は、お互いにマスク装着でごく短時間の接触なので、濃厚接触者に当たらなかった。

 唯一マスクを外した内視鏡検査の時に対応した職員が、濃厚接触者に該当するかどうかということになった。内視鏡学会の基準では当たらないが、職員自身の不安もあり、内視鏡室4名のPCR検査を行った。全員陰性だった。(濃厚接触者該当かどうかは保健所に確認)

 細かく感染経路をたどっていくと、こんな状況になる。いちいち調査する保健所も大変だとは思う。

 感染症指定医療機関なので、保健所長が当院の院長先生に挨拶に来て、さまざまな依頼をしてくる。院長先生は丁重に対応しているようだ。当方としては、仕事(行政検査としてのPCR検査や入院依頼)を増やしてくるだけの機関なので、冷めた感じでみているだけだが。

 

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