なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

緩和ケア引き受けます

2012年10月20日 | Weblog

 医局のラウンジでコーヒーを飲んでいると、神経内科医が来た。神経内科に通院している患者さんが、胸水が貯留してがんセンターの呼吸器科で検査して中皮腫(悪性)と診断されたそうだ。今のところ、すぐ入院するほどではないが、進行した時に診てほしいということだった。ガンセンターにホスピス病棟があるが、自宅からは遠くて家族が希望していないので、当院で緩和ケアを受けさせたいそうだ。入院が必要になったら、あるいは外来で緩和ケアが始まる可能性もあるが、内科で引き受けることにした。

 先日は、がんセンター呼吸器科から治療適応がなくなった高齢者の肺癌患者さんが紹介されてきた。当院の呼吸器科外来は大学から応援の先生が担当しているが、外来通院できるうちは呼吸器外来で診てもらって、入院が必要になった時に内科で引き受けることにした。

 一昨日は大学病院の腫瘍内科から、大腿部の平滑筋肉腫の老齢女性をお願いしたいと依頼がきていた。腫瘍内科から外来応援で来てもらっているので、外来通院できるうちはそこで診てもらって、やはり入院が必要になった時に内科で引き受けることにした。

 内科病棟は、高齢者の誤嚥性肺炎、癌終末期の緩和ケア、糖尿病の教育入院などの一般内科の患者さんたちが混在している。前二者はDNRの方針となる。オピオイドを使用する癌終末期の患者さんは常に2~3人というところか。

 

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健診二次検査の時期

2012年10月19日 | Weblog

 健診で異常を指摘されて内科新患を受診する時期になった。大抵はコレステロールが高い、血糖が高い、軽度肝機能障害(脂肪肝)だ。今日高脂血症(正確には脂質異常症)を指摘された中年女性が来た。LDL-コレステロールが40ほど正常値を上回っている。高脂血症薬を処方しますかと言うと、すでにもらっているという。内科クリニックから高脂血症薬(メバロチン)が処方されていた。治療しているのに健診で高いと指摘されたので、他の病院に来たということだった。体重が昨年までより3Kg増加していたので、体重増加のために今までの処方では十分に効かなくなったようだ。ストロングスタチンに変更するか、ゼチーアを追加するかだが、体重を以前に戻す努力も必要だ(これがけっこう難しいのだが)。次回かかりつけのクリニックを受診した時に、健診の結果を見てもらうことにした。たぶん処方変更になると思う。

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代診をする

2012年10月18日 | Weblog

 消化器科医(女性医師)が体調不良で休んだため、消化器科外来の代診をしていた。もうひとりの消化器科医は内視鏡検査があるので、外来をみている暇がなかった。もともと私も消化器科なので特に苦にはならない。胃潰瘍の患者さんがピロリ菌の除菌療法後の結果を聞きにきていた。残念ながら尿素呼気試験は陰性になっていなかった。つまり除菌できていなかった。80歳以上なので、セカンドラインの除菌をするのもどうかと思われる。しつこく除菌にこだわらず、胃潰瘍維持療法を継続してもらうことにして、近くの診療所に報告書を出した。腰の曲がった逆流性食道炎の高齢女性は、ネキシウム・ガスモチンを内服して、症状がある時にはアルロイドG内服頓用となっていたが、朝の起きがけには症状が出てしまうという。なかなかとれないものですねえと、処方を継続しておいた。

 内科クリニックから58歳男性が紹介されてきた。昨日から発熱が続いて、血液検査で白血球数18000、CRP18と高値だったので、驚いて救急車で送ってきた。炎症反応の程度が必ずしも重症度と一致しないが、ある程度の目安にはなる。咳も少なく、胸部聴診でも所見がはっきりしないが、胸部CTで見ると右肺下肺野の肺炎だった。難聴と視力低下があり、理解力が生まれつきやや低下していると思われる患者さんだった。姉が付き添って来ていたので、病状を説明して入院とした。

 ちなみに、先週からの私自身の帯状疱疹はまだ痛い。バルトレックス内服も明日で終わってしまうが、この痛みはどこまで続くのだろう。

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ひとりで来て低血糖

2012年10月17日 | Weblog

 救急隊から78歳男性の搬入依頼がきた。隣県からひとりで車で来ていた。地元ではちょっと有名なお菓子屋さんの駐車場にとめてあった車の中で、高齢男性が不穏状態(手足をばたつかせている)になっていると、店員さんから救急要請があったそうだ。救急隊到着時、呼ぶと開眼して答えるが、すぐに閉眼してしまうという。特に麻痺などはなく、バイタルサインも問題ない。すぐに来てもらうことにした。

 病院に搬入された時点では意識は少し戻ってきていて、会話が成り立った。糖尿病でインスリン注射をしているという。さっそく血糖測定すると50mg/dlだった。低血糖が頻繁に起きていて、今日も低血糖を自覚して、ソフトクリームやコーヒー牛乳をこぼしながらも食べたり飲んだりしたようで、しだいに血糖が上昇してきて50mg/dlだったということらしい。店先にいた時は30mg/dlくらいか。グルコース静注ですぐに意識清明となった。

 2年前に大学病院で膵癌の手術を受けて、抗がん剤内服を続けていた。インスリン注射は超速効型を1日3回と持効型を1日2回していた。家族には乱楽がついて、病院に向かったという。明日まで病院に入院して明日の朝の状態をみて退院にすることにした。ふだんよりもインスリン量を若干減らして使用することにした。

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結局原因不明になりそう

2012年10月16日 | Weblog

 昨日1週間発熱が続く34歳の男性が内科医院から紹介されて受診した。症状は発熱と咽頭痛で、前・後頸部リンパ節が小指頭大に腫脹していた。咽頭は発赤しているが、化膿はしていない。内科医院ではクラビットを処方していたが、ウイルスだと思っていたようだ。1週間続くので、自分のところでそのまま診ていくのも不安だったのだろう。溶連菌とアデノウイルスの迅速試験は陰性だった。白血球数は3200でCRPが3.2だった。異型リンパ球は認めない。肝機能検査はLDHがわずかに正常値を越えていたが、AST・ALTは正常域だった。伝染性単核球症としてEBウイルスとサイトメガロウイルスの抗体検査を提出したが、どちらも既感染になりそうな気がする。入院して経過をみるのもあるとお話したが、原因がウイルス感染らしいので特に治療がないことを聞くと、外来でいいという。カロナール錠を朝夕内服で経過をみることにした。都市部だったらHIVも検査するのかもしれない。

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高齢者の不穏

2012年10月15日 | Weblog

 一昨日出血性胃潰瘍で入院した98歳女性は、入院時の様子では面倒をかけてすまないと言っていて、穏やかなおばあさんだった。ところが、入院すると不穏がひどく病棟看護師が困ってしまった。当然点滴は引き抜き、廊下に歩いて出てしまう。入院時とは目つきがまったく異なり、険しい顔つきになっていた。家族ももう連れて帰りますと言うが、もう1回だけ内視鏡検査をさせてもらうことにした。案外すんなり検査できて、胃潰瘍の出血は治まっていた。貧血も進行していない。さっそく食事(おかゆ)を出したところ、6割がた食べた。本来は1週間くらい経過を見るべきだが、家族の希望も強く退院とした。紹介先のかかりつけの内科クリニックに返事を書いて、少し強くしたPPIでの治療を依頼した。自宅に戻れば、また穏やかなおばあさんに戻るのだろう。

 同じ日に肺炎で入院した93歳女性も解熱して元気になったのはいいが、動きが激しく点滴などはとてもできない状態になった。この患者さんは外来で点滴をしようとした時に看護師にかみつこうとしたので、家族には入院継続が難しいかもしれないとお話ししていた。食事も食べられるので、退院して内服治療にしようと思った。学会で聞いてきたアベロックス内服がいい。家族に電話すると今日は嫁が不在で自宅には息子だけなので、退院は明日にしてほしいという。今晩どうなるか心配だが、明日まで入院とした。

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入院続々

2012年10月13日 | Weblog

 昨夜入院した70歳女性は今日の午前2時ごろから呼吸困難・喘鳴が出現して、一時は血圧が70まで下がった。宿直の外科医からの連絡で午前3時に病院へ行った。酸素飽和度も下がったが、10L/分でなんとか90%台後半となった。血圧も戻った。心電図では低酸素も加わり判読しがたいが、全誘導でSTが下がった。胸部X線で入院時にはなかった心拡大・肺うっ血を認めた。CKとCK-MBも上がってきていた。心筋虚血による心不全の増悪だろう。ST上昇はないが、心筋梗塞が冠動脈末梢側で起きていると思われた。心臓センターのある病院へ連絡して、転院治療をお願いした。その病院からドクターカーで迎えに来てくれて助かった。見送って午前5時すぎだったので、そのまま病院にいた。

 98歳女性が午前1時に吐血して、朝方再度吐血して救急搬入された。今日の内科系日宿直はが大学病院の応援医師だった。医局でぼさっとしてところに連絡を受けた。内視鏡でみると、食道裂孔ヘルニアで胸腔内に持ち上がった胃体上部の前壁に露出血管があり、そのからの出血だった。内科クリニックからPPIを処方されていて、最近のNSAID内服の既往はない(数か月前はNSAIDを結構飲んだらしい)。HSE局注とクリップで止血処置をして入院とした。

 86歳女性で寝たきり胃瘻造設の女性が誤嚥性肺炎となり、かかりつけの内科クリニックの紹介で受診した、左下肺野に肺胞性陰影が広がっていた。数年前から何度も誤嚥性肺炎で入退院を繰り返している。家族も慣れたものだった。数日前か血痰が出ていた。抗酸菌染色は陰性で胸部CTで抗酸菌感染らしい陰影はなかった。訪問看護を受けているが、喀痰吸引はされていないので、物理的に傷つけたわけではない。肺癌でもないし、気管支拡張症でもない。数日個室管理で経過をみることにした。

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帯状疱疹は痛い

2012年10月12日 | Weblog

 10月10日から日本化学療法学会(東京、台場)に行っていた。10日から左側胸部がなんとなく痛いような気がしていた。11日からははっきりと痛くなった。ずっと固い椅子に座っていたので、筋肉痛がとおもったが、どうも違い。帯状疱疹かもしれないと思い出した。電撃様の神経痛のはずだが、断続的な痛みではあるが、電気が走るようなとも言い難い。じっとしていると案外痛くない。動き出すと痛い。痛みが感じにくい姿勢もあった。最終日昼のランチョンセミナーを聴いてから帰途についたが、午後6時過ぎに自宅に戻って、左側胸部から背部にかけて水庖が散在していた。

 病院に行って抗ウイルス薬をもらうことにした。当直の外科医にバルトレックスを処方してもらった。ちょうど急性腎盂腎炎の70歳女性が受診していて、入院させるところだった。化学療法学会帰りなので、さっそく尿培養と血液培養2セットを提出した。狭心症(ステンド留置)と糖尿病で循環器科に通院している方だった。先月休日の救急外来で頸椎偽痛風で受診して、3週間ほどNSAIDを処方して軽快した患者さんだった。

 3か月から6カ月神経痛が続き、帯状疱疹後神経痛として持続する可能性もある。帯状疱疹ウイルスのワクチンを受けた方がいいかなと思っていたが、決断が遅いので間に合わなかった。

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そんなにたくさんの処方があるとは

2012年10月09日 | Weblog

 先月末から下痢と腹痛が続いて、当院の外来と内科クリニックの外来を何度か受診していた。今日は腹部症状は軽減しているというが、食欲不振と倦怠感が続いていると内科クリニックからの紹介で受診した。検査してみたが、血液検査も画像検査も異常なしだった。体重減少もあり、紹介でもあり、入院で点滴をして経過をみることにした。内科クリニック以外に整形外科クリニック、ペインクリニック、精神科医院に通院している。ペインクリニックからは帯状疱疹後神経痛の診断で医療用麻薬(フェンタニル)が処方されていた。はたしてそこまで必要なのだろうか。精神科クリニックからは4種類の抗うつ剤と安定剤、睡眠薬が処方されていた。初めて診る患者さんで、そんなに多量の処方を受けているようには見えなかった。腹部症状も当初は腸炎としても症状だったのだろうが、その後の症状遷延とには心因性の要素が大きいようだ。はたして入院後に症状は軽快するのだろうか。

 明日から東京台場で開催される日本化学療法学会に行くので、2~3日ブログ投稿は休み。

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気の毒な血糖測定

2012年10月08日 | Weblog

 胃癌、癌性胸膜炎・腹膜炎で入院している84歳女性はもともと糖尿病があった。HbA1cは6%台で経過していたが、今回入院時は7%台となっていた。癌が全身に進展したためもあるだろうが、主には胃癌が直接膵臓の体尾部に浸潤して内分泌機能が半減したことによると思われる。今日は血糖が400台となってしまった。

 これまでの経口血糖降下剤では間に合わないのでインスリン注射が必要になる。少なくとも1日3回は血糖を測定して、点滴に混合するインスリン以外にインスリン皮下注射を追加投与するしかない。血糖を測定するためには、手指を刺さなければならない。予後は1ケ月と予想される段階で、毎日3回指を刺すのは気の毒だが、やむを得ない。

 糖尿病がなければ、もちろんそんなことをする必要はない。癌末期の患者さんには、できるだけ検査をしないようにしているが、糖尿病で血糖が無視できないくらい高値になる患者さんでは、亡くなる数日前まで、痛い血糖測定が継続される。酸素飽和度のように、指にはさんだだけで血糖が測定できるようになればいいのだが、まだまだ先の話だ。

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