昨夏の還暦直後の同窓会で久しぶりの再会から
その日を切り抜けるための無我夢中の毎日を振り返ってみた。
血液疾患を専門領域と心に決めた以前のことで、
心に残りその後の医師の人生でかみしめ治すことが多かった言葉がある。
”死なない病気だから大丈夫”と
主治医の今もう故人となられた岡崎先生に言われた。
当時は、息をするのもつらい全身の痛みの中にあった学生である私は???
現在、造血器悪性腫瘍を専門とする医師となった私には、
先生の優しい励ましの言葉であったのを理解できるが、
当時は、死なない病気でよかったと慰められても、素直には喜べなかった。
言葉の深さに思い至るには、人生経験が必要だとしみじみ思う。