両手の腱鞘炎が始まったのは、医学部1年の後半、40年前であった。
痛みも強く、整形外科、内科と診察をたびたび受け
診断は、リウマチ因子因子陰性の慢性関節リウマチと診断され、
治療を開始。まず、消炎鎮痛剤を使用された。
ところが、使用直後に、高熱、全身リンパ節腫脹が出現。
感染症として、抗生物質の投与後まもなく
全身の発疹、粘膜にも浮腫発現。呼吸困難となり大騒動。
極めてまれな、アスピリンの副作用らしいと結論され、
以後、生命の危険を招いた薬剤は使用せず、疼痛に耐えることとなった。
シオゾールの使用を開始。
タンパク尿、間質性肺炎もどきの症状が次々とでた。
日常診療を担当してくださった先生 (若くして悪性疾患に罹患し、永遠の世界に旅立たれた。再びお目にかかった時覚えていてくれるだろうか?)
(次々とわけのわからない、重篤な状態であえいでいる私を前に)
”やめてよ。もう新しい病気にならないで。生きた心地がしないよ。
こっちが死んじゃいそう!”
と言いながら、”入院ベッドもないし、外来でもいいか”
ということで、他に薬剤がないこともあって、シオゾールを少量継続となり、
他の薬剤は重篤な副作用が出るので、使用せず痛みには耐える。そのうち軽減するはずだからということになった。
痛みは………。
”やめてよ。もう新しい病気にならないで。生きた心地がしないよ。
こっちが死んじゃいそう!”
当時の医学生であった私は、そんなこと言われたって!。そんなに悪いの? どうしよう。”
臨床医になり、次第に担当医の気持ちが深く理解できるようになり、患者の気持ちも了解できるので、要らぬ心配を患者には懸けない言い方をするよう努力しているが、相手がいることであり、意図した通りにはいかないことも多く、逆の受け止め方をされて困惑することもあります。