本宮先生は、恩師宇塚善郎先生と同級(東北大学医学部主大和27年卒)であった縁で、親しく接していただいた。
血液疾患、特に急性白血病の治療中は、様々な合併症が次々と襲ってくる。
快刀乱麻よろしく、合併症を治癒させずして白血病の治療は成立しない。
特に呼吸器の合併症は、即、生死に関わってくるので急を要する。
感染症、循環不全に伴う呼吸不全。
重篤な状態なので、検査も限られる中で、専門家のご意見を伺うことになる。
本宮先生には、イラスト入りのA,B,C,D.で鑑別の仕方を簡潔に示してくださった。
東北大学抗酸菌病研究所(現加齢医学研究所)の教授時代、退官されてからは、仙台逓信病院に勤務されているときも、院長職を退かれて、外来のみの診療を継続されているときも、沢山の写真を持って、宇塚先生共々押しかけては教えを請うた。
そのときには、本宮先生は、
イラスト入りのA,B,C,D.で鑑別の仕方を簡潔に示してくださった。
同級の親しさで、”宇塚君はいつまでも現役でがんばっているな”と、
時には、仙台血液疾患センターを訪れ、
保育所も併設して診療を継続していることに感激され、
園児に、プレゼントを寄付してくれたりもした。
また、文学にも造詣が深く、
朴念仁の我が兄の、哲学話にも乗ってくれ、しかも、ハイデッガーの全集を自費出版した話(家族としては赤字補填というおまけつき)、にも賛意を表され、我が意を得たりと兄を得意にもさせていただいたり、
和辻哲郎の縁戚なので、その話もしていただいたりで、楽しい時間も過ごせていただいた。
本宮先生の訃報を知ったのは、
宇塚先生が、肺炎、脱水、高カルシウム血症で意識がなくなりながらも回復され自宅に戻った日であった。
宇塚先生の同級生の縁で親しく、目をかけていただいた、岡崎太郎先生(主治医でもありました)、長女の方との�壓がりで、加美山茂利先生は2012年に、
いままた、本宮先生の逝去に接して、時間の流れをしみじみと感じています。
心より、ご冥福をお祈りします。
遺影は、勤勉で、きさくに、人に対する配慮をもって行動された、おだやかで、やさしいひと柄の本宮先生そのものでした。
昨年の夏、東北大学病医院付近を歩いている直後に、病が判明したとのこと。厳しい夏でした。