豊かさを求める 会長日誌

家づくりと言う事業を通じ、多くの人々の人間模様を綴ります。

ただ置くだけで省エネになるシリカゲル…岐阜県恵那~愛知県中津川~中部国際空港

2009-04-01 21:58:36 | ファース本部
お菓子や海苔などの乾燥剤はシリカゲルと言う多孔質のガラス成分で作られております。
この乾燥剤のシリカゲルを少し処方し直して作ったのが「ファースの家」の床下に敷設しているスカットールです。
シリカゲルは、家の中の空気循環で床下に送られた空気中の湿気を、毛細管現象の作用で多孔質の吸湿孔に吸着します。湿気を抱えると言う事は、シリカゲルに湿気が含んでいる事になりますが、室内が乾燥した時、その湿気を放出する事で室内湿度を一定に致します。

このシリカゲルは、湿気を吸着して高い湿度を抑える効果があります。当然、この作用は冷房省エネに貢献できるように思われます。しかし、吸着する際、空気中の散らばった湿気を凝縮させるため、凝縮熱と言う熱を発します。湿度を下げても気温を上げるから冷房省エネになどならないと言うのが誰でもが思う理屈なのです。

暖房時でも、乾燥した真冬に湿度を15%くらい高く推移させるため、暖房省エネになるのでは、と言う思いがあります。しかし、シリカゲルが抱えた湿気を放散させる際、気化熱(蒸発潜熱とも言う)で気温を下げるため、これも暖房省エネにならないと言うのです。

同じ家屋の中で、潜熱と言う湿気の持つ熱を取って、凝縮熱(気温)を上げても、その湿気を放散させる時には、気化熱で気温を下げるため、何の省エネ効果にもならないと言う、この理屈にはとても説得力があります。したがって誰もが本気でシリカゲルだけの省エネ研究などをしてきませんでした。

しかし、ファース本部の研究開発室はとてもしつこいのです。ファースの家は、断熱、気密、遮熱、蓄熱性能だけで現われない、暖房と冷房の省エネ効果が数値で出て来ます。必ずその要因があるものと、何回も実験を繰り返してきました。その結果、同じ家屋の中の空気中の湿気を吸着、放出しているだけで省エネになるメカニズムを見つけました。

今日は、朝から富士シリシア化学の恵那研究所に詰め、我々の研究データを解析して戴きました。解析検証は、富士シリシアの機能材料事業部長で、吸着熱分野の博士号を持つ、伊藤睦弘さん(写真左)と同じく研究員の浅野達也さん(右)です。シリカゲル(スカットール)はただ置くだけで、何のエネルギーも用いず、冷房と暖房の省エネに貢献するのです。そのメカニズムは特許申請が受理されたから広報します。

今日は午前が富士シリシア化学、午後は中津川に移動してパナソニック・エコシステムズの研究所を訪問(後日、紹介)しての、研究ざんまいの一日を過ごしました。
明日は早朝便で九州へ…
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