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楊逸著、文藝春秋刊
著者は、1964年に中国のハルピンうまれ、1987年(23歳?)に来日。
全く日本語ができなかったため、アルバイトをしながら日本語学校で学び、その後、お茶の水女子大学文教育学部地理学専攻で卒業。以降、日本に在住し、小説を執筆するようになった。
2007年(43歳?)に文學界新人賞を受賞し、翌年芥川賞を受賞。
ネイティブでない作家が芥川賞を受賞したとマスコミ報道で聞き、かなり驚いた記憶があります。
両親が教員をしていたので、文化大革命の際に下放により、一家は極貧の劣悪な環境で生き抜いたそうだ。
著者は小さい頃から食いしん坊であったらしく、乏しい食糧事情の中で母親が工夫して作った料理の数々を詳細に紹介しています。
現在はどうか分かりませんが、旅行記などで触れる東南アジアの庶民は、職を大事にしているようで、中国も、かつてはそうであったと思います。
手間暇を惜しまず、手作りの料理で成長した著者が、目をらんらんと光らせて、お母さんの手作りの料理を夢中で食した様子が伝わってきます。
食と同時に、混乱期当時の中国の様子が生々しく描かれています。
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○楊逸
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