読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

総理の原稿

2013年11月30日 07時01分31秒 | ■読む
平田オリザ+松井孝治著、岩波書店刊
国民の自民党への失望が前提にあり、あらゆる機会を見付けて徹底的に政治攻撃を続けた民主党が、圧倒的な国民の支持を受けて政権を握った。当時、日本にはある種の空気が漂っていたと思います。それは、一か八か新しい船に乗ってみるかという、半ば捨て鉢な、その実結構期待しての投票結果であったのではないか。
本書は、民主党初代の首相に就任した鳩山さんの演説原稿の作成で中心的役割を担った二人の対談を収録したものです。巻末には、代表的な演説が収録されています。お二人の会話は、読んでいて成る程なぁ、という感じで、演説原稿は非常に説得力があります。理念ありき。現代日本の政治家がこのような立派な演説をしたことは誇って良いと思います。しかし、対談の中で誰かの発言、「読む人が悪かった」と私も感じます。リベラルであることには共感を覚えますが、複雑さとそれに基づく幅の広さを感じられないお人柄と見えるので、説得力を感じない。政治家に限りませんが、人の言葉が人を動かすのは、言葉に乗る語り手の存在の重さではないのか。そんなことを考えさせられました。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/平田オリザ
     http://ja.wikipedia.org/wiki/松井孝治
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評価は4です。

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