真保裕一著、小説現代連載
小説現代の2017年11月号まで掲載された小説です。真保さんの作品は大分前に「ホワイトアウト」を読んだ記憶がありますが、その後初めて読んだのが本作です。卓球、競歩、ブラインドサッカーの3競技をテーマにした短編集です。特に初めの卓球で度肝を抜かれました。卓球は読み合いの勝負と聞いていましたが、本作はサービス前の読み合いから一球ごとの「読み」を細かく書いていて息が詰まりそうです。
主人公はオリンピックを目指しながらも、並み居る候補者との葛藤など、心の有り様も深く掘り下げ、地味に見える競技の奥深さと選手たちの苦闘、戦いを勝ち抜く熾烈なキャリアをリアルに描いています。
2番目の競歩も、独特のルールや競技の肝と共に試合中の駆け引きをリアルに描いていますが、卓球とほぼ同じです。一方、3番目のブラインドサッカーは、プロのサッカーリーグで挫折した主人公が、ブラインドサッカーに巡り会って立ち直る姿を描いていますが、これは競技者の視点ではなく、健常者スタッフの観点を主としています。もちろん、障害者の姿も誠実に描いています。ここまでネタバレしても、読む楽しみは全く損なわれないと思います。スポーツ小説は珍しいとのこと。やったことのないスポーツをこれだけリアルに描ききる筆者の力量に敬服しました。
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URL => https://ja.wikipedia.org/wiki/真保裕一
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評価は5です。
※壁紙専用の別ブログを公開しています。
=> カメラまかせ 成り行きまかせ
=> カメラまかせ 成り行きまかせ その2
小説現代の2017年11月号まで掲載された小説です。真保さんの作品は大分前に「ホワイトアウト」を読んだ記憶がありますが、その後初めて読んだのが本作です。卓球、競歩、ブラインドサッカーの3競技をテーマにした短編集です。特に初めの卓球で度肝を抜かれました。卓球は読み合いの勝負と聞いていましたが、本作はサービス前の読み合いから一球ごとの「読み」を細かく書いていて息が詰まりそうです。
主人公はオリンピックを目指しながらも、並み居る候補者との葛藤など、心の有り様も深く掘り下げ、地味に見える競技の奥深さと選手たちの苦闘、戦いを勝ち抜く熾烈なキャリアをリアルに描いています。
2番目の競歩も、独特のルールや競技の肝と共に試合中の駆け引きをリアルに描いていますが、卓球とほぼ同じです。一方、3番目のブラインドサッカーは、プロのサッカーリーグで挫折した主人公が、ブラインドサッカーに巡り会って立ち直る姿を描いていますが、これは競技者の視点ではなく、健常者スタッフの観点を主としています。もちろん、障害者の姿も誠実に描いています。ここまでネタバレしても、読む楽しみは全く損なわれないと思います。スポーツ小説は珍しいとのこと。やったことのないスポーツをこれだけリアルに描ききる筆者の力量に敬服しました。
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