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山本周五郎著、新潮CD発行
映画の「雨上がる」を既に見ているので、この朗読を聞きながら映画の場面を思い返していました。主演の三沢伊兵衛は寺尾聰さん、その妻たよを宮崎美子さんが演じていました。主人公の伊兵衛は、幼少時病弱であったが、長じるに及んで武芸の達人になった。それは、預けられたお寺の住職の訓導によるものだが、要諦は「石中に火あり 打たずんば出でず」という言葉。伊兵衛は、如何にして火を発することが出来るのか、ということと思い定め、剣術や馬術に非凡な技量を現すに至ります。しかし、生来の人の良さと、あまりにもさり気なく試合に勝つことから、周囲とぎくしゃくしてしまい、やがて藩を辞して浪々の旅に出るのでした。この伊兵衛のキャラクターに寺尾さんが実にぴったりでした。この人以外にはちょっと考えられない適役だと思います。
一方、伊兵衛の妻たよは良家に生まれ何不自由なく育ちながらも、性格の良い、しっかりした奥方です。しかし、永の浪々の旅で困窮し、すっかりやつれてしまった、という設定です。宮崎さんは残念ながらやせていませんでしたが、品の良さなどは原作通りで、これも納得の配役でした。(風吹ジュンさんでも良かったかも)その他の脇役陣も立派な映画でした。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/雨あがる
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さて本作は、山本周五郎の作品の中では、滑稽ものに近いかもしれません。何と言っても伊兵衛のキャラクターが愉快です。剣の使い手5人を相手にして、謝りながら剣をすべて取り上げてしまう下りなど、誠に面白い。また、同宿の貧しい人々の為に、妻に止められた掛け試合をやってお金を儲け、食べ物をしこたま差し入れ、奥方にわびを入れるなど、誠に愛すべき男です。
また、奥方が、最後に夫の生き方を認め、タンカを切る所など、実に爽快で、この場面は映画でも鮮やかに心に残りました。秀作です。
評価は4です。
映画の「雨上がる」を既に見ているので、この朗読を聞きながら映画の場面を思い返していました。主演の三沢伊兵衛は寺尾聰さん、その妻たよを宮崎美子さんが演じていました。主人公の伊兵衛は、幼少時病弱であったが、長じるに及んで武芸の達人になった。それは、預けられたお寺の住職の訓導によるものだが、要諦は「石中に火あり 打たずんば出でず」という言葉。伊兵衛は、如何にして火を発することが出来るのか、ということと思い定め、剣術や馬術に非凡な技量を現すに至ります。しかし、生来の人の良さと、あまりにもさり気なく試合に勝つことから、周囲とぎくしゃくしてしまい、やがて藩を辞して浪々の旅に出るのでした。この伊兵衛のキャラクターに寺尾さんが実にぴったりでした。この人以外にはちょっと考えられない適役だと思います。
一方、伊兵衛の妻たよは良家に生まれ何不自由なく育ちながらも、性格の良い、しっかりした奥方です。しかし、永の浪々の旅で困窮し、すっかりやつれてしまった、という設定です。宮崎さんは残念ながらやせていませんでしたが、品の良さなどは原作通りで、これも納得の配役でした。(風吹ジュンさんでも良かったかも)その他の脇役陣も立派な映画でした。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/雨あがる
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さて本作は、山本周五郎の作品の中では、滑稽ものに近いかもしれません。何と言っても伊兵衛のキャラクターが愉快です。剣の使い手5人を相手にして、謝りながら剣をすべて取り上げてしまう下りなど、誠に面白い。また、同宿の貧しい人々の為に、妻に止められた掛け試合をやってお金を儲け、食べ物をしこたま差し入れ、奥方にわびを入れるなど、誠に愛すべき男です。
また、奥方が、最後に夫の生き方を認め、タンカを切る所など、実に爽快で、この場面は映画でも鮮やかに心に残りました。秀作です。
評価は4です。
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