MONSTER

浦沢直樹著、小学館ビッグコミック刊

浦沢さんの作品は素晴らしい。
本作は、今までに読んだ浦沢さんの作品で最も感銘を受けました。
心の闇に突き動かされて冷酷な犯罪を重ねる青年と、その青年の命を助けて、濡れ衣を着せられた主人公である医師の物語です。

物語が進むに従って、沢山の人物が登場しますが、そのいずれもが独特の存在感を持ち、主人公と共に物語を紡いで行きます。
何故犯罪を重ねるのか、という謎解きと、精神の安定を損ないかねない人々の言動が絡まり合って、静かに少しずつクライマックスに近付いてゆきます。

プロットの素晴らしさに加え、人物造形の深さが素晴らしい。
少しの心の揺らぎを、わずかな表情の変化で描く画力に脱帽です。
18巻の濃密で深い物語世界を、作者と共に旅したように感じました。
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○浦沢直樹 　○MONSTER
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評価は５です。

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